賃貸契約でほぼ必須となっている「家賃保証会社」。「どんな費用がかかるのか」「いつ支払うのか」「毎月かかるのか」など、疑問を感じる方は多いと思います。

家賃保証会社については、仕組み・審査・連帯保証人との違いなど幅広いテーマがありますが、この記事では保証会社にかかる「費用」に絞って、種類・相場・支払いタイミングを実務の観点からわかりやすく解説します。仕組みや審査についてはこちらの記事をご参照ください。
家賃保証会社とは
家賃保証会社とは、入居者が家賃を支払えなくなった場合に、貸主(オーナー)へ家賃を立て替え払いする会社です。「保険」のようなイメージを持たれがちですが、保証会社が立て替えた後は入居者への請求が行われる仕組みであり、支払い義務がなくなるわけではありません。
保証の対象は家賃だけでなく、共益費・駐車場代・町内会費のほか、場合によっては退去時の原状回復費用なども含まれます。
名古屋の賃貸市場では、90%以上の物件で保証会社の利用が必須となっています。背景には、個人の連帯保証人よりも家賃回収の安定性が高く、オーナー側のリスク管理として定着していることがあります。そのため、入居審査において「保証会社の審査に通るかどうか」が重要な判断基準のひとつとなっています。
家賃の支払い方法
保証会社を利用する物件では、毎月の家賃(賃料・共益費など)の支払い方法が物件ごとに異なります。大きく分けると「保証会社への支払い」と「指定口座への振込」の2パターンがあります。
① 保証会社へ支払う
毎月の家賃を保証会社が一括して受け取り、オーナーへ送金する仕組みです。支払い方法は主に以下の2種類です。
口座振替
ほとんどの保証会社では口座振替が主な支払い方法です。毎月指定の引き落とし日に、登録口座から自動的に引き落とされます。
| 区分 | 手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| 無料の保証会社 | 0円 | 手数料込みのプランが多い |
| 有料の保証会社 | 110円〜660円/回 | 毎月発生するため年間コストに注意 |
クレジットカード払い
クレジットカード系の保証会社の一部では、口座振替に加えてカード払いも選択できます。また、まれにカード払いのみ対応の物件も存在します。カード払いの場合、利用手数料の有無は物件・保証会社によって異なります。ポイント還元が受けられる場合は、長期入居において積み重ねのメリットがあります。
② 指定口座へ振込
貸主または管理会社の口座に毎月直接振込む方法です。ATMでの振込は手間がかかるため、インターネットバンキングの「定期振込設定」を活用するとスムーズです。振込手数料は借主負担となるのが一般的です。
口座振替と異なり、自動処理ではないため振込忘れが発生しやすい方法です。毎月の引き落とし日をカレンダーに登録するなど、管理の工夫をおすすめします。
必要費用について
保証会社を利用する場合に発生する費用は、主に以下の4種類です。どの費用が必要になるかは、物件・保証会社・契約内容によって異なります。
| 費用の種類 | 発生タイミング | 必須かどうか |
|---|---|---|
| 初回保証料 | 契約時(一度だけ) | ほぼ必須 |
| 月額保証料 | 毎月 | 物件による |
| 更新(継続)保証料 | 年1回 または 2年に1回 | 物件による |
| 口座振替手数料 | 毎月 | 保証会社による |
月額保証料と更新保証料は、どちらか一方が採用されるケースが多いです。両方必要な物件は割高になる傾向があります。
一般的な費用の組み合わせパターンは以下の通りです。
- 初回保証料+月額保証料:月々少額ずつ継続して支払うタイプ
- 初回保証料+更新保証料:年1回まとめて支払うタイプ
- 初回保証料+月額保証料+更新保証料+口座振替手数料:すべて発生するタイプ(割高になりやすい)
初回保証料
初回保証料(「保証契約料」「保証委託料」とも呼ばれます)は、保証契約を結ぶ際に一度だけ支払う費用です。ほぼすべての物件で必須となっており、入居審査が承認された段階で支払いが求められます。
関連記事:賃貸で家賃以外にかかる費用とは。月額費用の内訳を不動産会社が解説
費用の相場
| 設定パターン | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般的な相場 | 月額総費用の40〜60% | 最も多いパターン |
| 審査リスクが高い場合 | 月額総費用の80〜100% | 収入が不安定・外国籍の方など |
| 定額設定 | 10,000〜50,000円 | 一部の保証会社で採用 |
月額総費用=家賃+共益費+駐車場代+町内会費などの合計額が計算のベースとなります。
なお、貸主側の入居促進策として「初回保証料無料キャンペーン」を実施している物件も一定数存在します。該当する場合は契約時に案内があります。
支払いのタイミング
初回保証料の支払いには、主に2つのパターンがあります。
- 1契約時に一括払い:敷金・礼金などほかの初期費用と合わせて支払う。実務上はこちらが多い。
- 2初回賃料と合算で引き落とし:口座振替の初回引き落とし時に賃料と一緒に引き落とされる。保証会社や管理会社の運用による。
初回のみコンビニ払いまたは振込での対応となるケースがあります。その場合、保証会社から郵送またはSMSで支払い案内が届きます。期日を過ぎると契約が進まない・入居日が延期されるリスクがあるため、案内が届いたら早急に対応してください。
月額保証料
月額保証料は、保証契約を維持するために毎月支払う費用です。月額保証料が設定されている物件では、年1回の更新保証料が不要となるケースが多いです。一方で、両方が必要なプランも存在するため、契約前の確認が重要です。
費用の相場
| 設定 | 相場 | 補足 |
|---|---|---|
| 一般的な相場 | 月額総費用の1〜1.5% | 最も多いパターン |
| 住宅保険込みのプラン | 月額総費用の2〜3% | 火災保険が含まれる場合あり |
| 初回保証料無料プランの場合 | 月額総費用の2〜3% | 初回分を月額に上乗せしている |
家賃7万円・共益費5,000円の場合、月額保証料1%なら毎月750円程度。年間で9,000円になります。
支払いのタイミング
毎月の賃料・共益費とあわせて口座振替で引き落とされます。引き落とし日は保証会社によって異なりますが、毎月25〜28日頃に設定されているケースが多いです。
なお、契約時に賃料を前払いしている月は、月額保証料が発生しない・初回のみ免除されるケースもあります(保証会社によって異なります)。
更新(継続)保証料
更新保証料は、保証契約を継続するために一定期間ごとに支払う費用です。一般的には1年ごと、まれに2年ごとに設定されます。月額保証料が設定されていない物件で採用されることが多く、「年額型」の保証プランに相当します。
費用の相場
| 設定パターン | 金額の目安 |
|---|---|
| 定額設定(最も多い) | 10,000〜15,000円/年 |
| 月額総費用に対する割合 | 月額総費用の20〜30%/年 |
| 初回保証料100%プランの場合 | 0円(更新不要プランあり) |
支払いのタイミング
契約開始日を基準として1年後に最初の更新保証料が発生します。更新時期の2〜3か月前に、保証会社から郵送またはSMSで案内が届きます。案内には支払い金額・期日・支払い方法が記載されているため、期限内に対応が必要です。
更新保証料の未払いは保証契約の失効につながり、管理会社から是正を求められるケースがあります。また、保証会社によっては自動更新ではなく、更新手続きが必要な場合もあるため、案内内容の確認を忘れずに行ってください。
口座振替手数料
毎月の家賃を口座振替で支払う場合に発生する手数料です。「決済手数料」「引落手数料」と表記される場合もあります。毎月の賃料・共益費とあわせて自動的に引き落とされます。
| パターン | 金額 |
|---|---|
| 無料 | 0円(一部の保証会社) |
| 有料(一般的な相場) | 100〜330円/回 |
| 有料(上限) | 最大660円/回 |
毎月200円の手数料でも、2年間で4,800円になります。長期入居を検討する場合は手数料の有無も確認しましょう。
保証料は貸主・借主どちらが負担する?
家賃保証会社の保証料は、原則として借主(入居者)が負担します。保証会社は家賃滞納時に貸主へ立て替えを行うサービスのため、そのサービスを利用する借主が費用を支払う仕組みです。
ただし、近年では空室対策や入居促進を目的として、貸主が保証料の一部または全額を負担するケースも増えています。「初回保証料貸主負担」「初回保証料無料キャンペーン」といった条件で募集されている物件がその例です。
同じ保証会社なのに物件で費用が違う理由
「A物件とB物件、どちらも同じ保証会社なのに初回保証料のパーセンテージが違う」という経験をした方もいるかもしれません。これは保証会社の設定が物件ごとに異なるためですが、背景には管理会社のマージン(上乗せ)が関係していることが多いです。
保証会社が管理会社に対して設定する「基本プラン」は存在しますが、管理会社はその上に自社の利益を乗せた形で入居者へ提示することができます。たとえば、保証会社の基本プランが「初回40%」であっても、管理会社が「50%」として提示しているケースがあります。この差額の一部が管理会社の収益になる仕組みです。
| 物件 | 保証会社 | 提示された初回保証料 | 背景 |
|---|---|---|---|
| A物件 | 同じ保証会社X | 月額総費用の40% | 基本プランに近い設定 |
| B物件 | 同じ保証会社X | 月額総費用の60% | 管理会社がマージンを上乗せ |
上記はイメージです。実際の差額や仕組みは保証会社・管理会社によって異なります。
入居者側からはこの内訳を確認することはほぼできません。ただ、複数の物件を比較する際に「同じ保証会社なのに費用が違う」と感じたら、管理会社の設定が影響している可能性があると理解しておくと、物件比較の判断材料になります。
保証会社の費用は安くできる?
基本的に値引き・変更は難しい
保証会社の利用が必須となっている物件では、保証会社の変更や初回保証料の値引き交渉はほぼできません。保証会社はオーナーや管理会社にとって家賃回収リスクを下げるための重要な契約条件であり、入居者側が選択・交渉できる余地はほとんどないのが実情です。
連帯保証人付きプランで初回保証料を減額できることも
一部の保証会社では、連帯保証人を立てることで初回保証料が割引になる「連帯保証人付きプラン」が用意されています。
| プラン | 初回保証料 |
|---|---|
| 通常プラン | 月額総費用の50% |
| 連帯保証人付きプラン | 月額総費用の30%(約20%割引) |
ただし、連帯保証人付きプランを選ぶ場合は以下の書類・手続きが必要です。
- 連帯保証人本人の同意・承諾
- 申込書への勤務先・年収・連絡先などの記入
- 印鑑登録証明書・勤務証明書などの書類提出
書類の準備や保証人への連絡が必要なため、通常プランより手続きに時間がかかります。申込のスケジュールには余裕を持って進めることをおすすめします。
その他、トータルコストを抑える方法
初回保証料の直接的な値引きは難しいものの、契約内容や支払い方法の選択によって、長期的なコストを抑えられる場合があります。
① 初回保証料を増額して更新保証料をなくすプランを選ぶ
一部の保証会社では、初回保証料を月額総費用の100%に設定する代わりに、以降の更新保証料が不要になるプランがあります。
| 入居年数 | 通常プラン(初回50%+更新1万円/年) | 初回100%プラン(更新なし) |
|---|---|---|
| 1年 | 37,500円+10,000円=47,500円 | 75,000円 |
| 3年 | 37,500円+30,000円=67,500円 | 75,000円 |
| 5年 | 37,500円+50,000円=87,500円 | 75,000円(お得) |
あくまでイメージです。実際の金額は物件・保証会社によって異なります。
長期入居を前提としている場合は、100%プランの方がお得になるケースがあります。ただし、早期退去の場合は割高になるため、入居期間の見通しを考えたうえで選択することが重要です。
② クレジットカード払いでポイント還元を活用する
全保連の一部プランやエポスカード系など、クレジットカード払いに対応している保証会社を利用できる物件では、毎月の賃料支払いでポイントを貯めることができます。
| 月額支払い | 月間ポイント | 年間ポイント(円換算) |
|---|---|---|
| 75,000円(家賃7万+共益費5千) | 750pt | 約9,000円相当 |
| 100,000円(家賃9万5千+共益費5千) | 1,000pt | 約12,000円相当 |
カード払いに別途手数料がかかる場合はポイント還元分と相殺されます。手数料の有無を必ず確認してください。
まとめ
- この記事は保証会社の「費用」に絞った内容。仕組み・審査は別記事を参照
- 費用は「初回保証料」「月額保証料」「更新保証料」「口座振替手数料」の最大4種類
- 初回保証料の相場は月額総費用の40〜60%。審査リスクや物件条件により80〜100%になることも
- 月額保証料と更新保証料はどちらか一方が採用されるケースが多い。両方必要な物件は割高
- 同じ保証会社でも物件・管理会社によって費用が異なるのは、管理会社のマージン差が影響していることが多い
- トータルコストで比較することが、後悔しない物件選びの基本
賃貸物件の契約においてほぼ必須となっている家賃保証会社ですが、その費用体系は物件ごとに大きく異なります。初回保証料だけに目を向けるのではなく、月額保証料・更新保証料・口座振替手数料を含めたトータルコストで比較することが重要です。
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