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保証会社とは?仕組み・審査・費用・連帯保証人との違いを不動産会社が解説

2026.03.15

  • 審査・契約
  • お部屋探しの基礎知識

賃貸保証会社イメージ

更新日:2026年5月

賃貸物件を契約する際、「保証会社利用必須」という条件を目にすることが多くなっています。しかし、保証会社がどのような仕組みなのか、連帯保証人と何が違うのかを正確に理解している方は多くないと思います。

この記事では、保証会社の仕組みや必要とされる理由、連帯保証人との違い、保証料の相場、審査の特徴などについて、不動産仲介の実務の視点からわかりやすく解説します。

保証会社とは

保証会社とは、賃貸契約において入居者の家賃支払いを保証する会社のことです。正式には「家賃債務保証業者」や「家賃保証会社」と呼ばれますが、一般的には単に「保証会社」と呼ばれます。

入居者が家賃を支払えなくなった場合、保証会社が貸主に対して家賃を立て替える役割を担います。ただし、立て替えた費用は最終的に入居者が保証会社に返済する必要があります。

保証会社の業務は家賃の立て替えだけではありません。入居申込時の審査、反社会的勢力との関係確認、家賃の口座振替管理なども行うため、賃貸契約全体のリスク管理の役割も担っています。

保証会社の多くは国土交通省が設けている「家賃債務保証業者登録制度」に基づいて事業者登録を行っており、一覧は国土交通省のウェブサイトで公開されています。

保証会社が必要とされる理由

以前の賃貸契約では、親族などの連帯保証人を立てることが一般的でした。しかし近年は、保証人を依頼できる親族がいないケースや、高齢・遠方などの理由で実効性が低いケースが増えています。こうした背景から、保証会社を利用する契約が広く普及しました。

2020年民法改正の影響

保証会社の利用が広がった理由の一つに、2020年の民法改正があります。民法改正により、個人が連帯保証人になる場合には「極度額(保証の上限額)」を契約書に明記することが義務付けられました。極度額の記載がない保証契約は無効となるため、貸主・管理会社にとって個人保証の管理が以前より複雑になりました。保証会社を利用する方が実務上扱いやすいという事情も、普及を後押ししています。

反社会的勢力の排除

現在の賃貸契約では、契約書に反社会的勢力排除条項が設けられているのが一般的です。保証会社は審査の過程で申込者の情報を確認するため、反社会的勢力との関係が疑われる場合には契約を断る仕組みになっています。保証会社を利用することは、貸主・管理会社にとって入居者の身元確認やリスク管理の意味合いも持っています。

貸主側の家賃回収リスク管理

賃貸物件では、家賃滞納が発生してもすぐに退去させることはできません。滞納期間が長引くと、貸主にとって大きな損失になります。保証会社を利用することで、家賃滞納時に保証会社が立て替えを行うため、貸主の収入が途切れるリスクを抑えることができます。これが現在の多くの物件で保証会社利用が契約条件となっている主な理由です。

保証会社は必ず利用しなければならないのか

保証会社を利用しなくても契約できる物件は存在します。ただし、実務上は多くの物件で利用が必須となっています。マチラボでの経験では、個人契約の場合は95%以上の物件で保証会社の利用が必須です。

保証会社を利用しない契約では、連帯保証人を求められる、敷金・礼金が相場より高く設定されている、貸主による審査が厳しくなる、といった条件が付くことが多くなります。

法人契約の場合

企業の信用力が高い場合(上場企業・大企業など)は、保証会社なしで契約できることが一般的です。ただし、法人契約でも保証会社の利用が条件となっている物件があるため、実際の条件は物件ごとに確認が必要です。

保証会社は選ぶことができるのか

保証会社は物件によっては複数の会社から選べる場合がありますが、多くの場合は入居者が自由に選べるわけではありません。管理会社や貸主が提携している保証会社を利用する形が一般的です。

1社のみ指定されている物件では、その保証会社以外を選ぶことはできません。複数と提携している物件でも、管理会社内で優先順位が決まっており、第一候補で審査が通らなかった場合に次の保証会社で審査を行う流れになります。保証会社は入居者が好きに選べるものではなく、物件ごとに決まっているという認識が重要です。

保証会社と連帯保証人の違い

保証会社と連帯保証人は、どちらも家賃が支払えなくなった場合に備える仕組みですが、役割と仕組みに違いがあります。

保証会社 連帯保証人
保証の主体 会社(法人) 個人(主に親族)
主な保証範囲 家賃・更新料などの金銭債務 家賃に加えトラブル・損害賠償なども含む全債務
費用 保証料の支払いが必要 費用不要(親族等に依頼)
手続き 審査のみ(比較的簡単) 署名・実印・印鑑証明書などが必要

保証会社を利用する場合、ほとんどのケースでは連帯保証人は不要となります。ただし、入居者本人の信用力が十分でない場合や、管理会社・貸主の方針によっては「保証会社+連帯保証人」の両方が求められることもあります。例えば、収入が不安定な場合、勤続年数が短い場合、過去に家賃滞納の履歴がある場合などです。また、法人契約では保証会社利用時に法人代表者を連帯保証人として求められるケースもあります。

保証料の仕組みと相場

保証会社を利用する場合は保証料が必要です。保証料は借主負担となることが一般的で、次のような種類があります。

初回保証料

契約時に支払う費用です。月額総費用(家賃+共益費+駐車場代など)を基準に算出されることが一般的で、50%程度に設定されていることが多いです。ただし物件によって幅があり、10%程度の安い物件から100%程度の高い物件まであります。入居促進のキャンペーンなどで貸主が負担している物件もあります。

更新保証料

保証会社によっては1年ごとに更新保証料が必要になることがあります。金額は10,000〜15,000円前後が一般的です。

月額保証料

毎月、月額総費用の1〜2%程度の月額保証料が設定される場合があります。更新保証料と月額保証料はどちらか一方のみ設定されていることが多いですが、両方が必要なケースもあります。

確認ポイント

初回保証料だけでなく、更新保証料・月額保証料の有無も契約前に必ず確認してください。毎年コストが発生する場合があります。

保証料に差がある理由

保証料の金額は保証会社や物件によって大きく異なります。審査基準が厳しい保証会社は保証料が低めに設定される傾向があり、逆に審査が柔軟な保証会社は保証料が高めになる傾向があります。また、同じ保証会社であっても貸主・管理会社への手数料設定が物件ごとに異なるため、保証料も変わります。

保証料の値下げ交渉はできるのか

結論から言うと、ほとんどの場合は値下げできません。保証料は保証会社が設定している費用であり、貸主・管理会社・不動産会社が自由に変更できるものではないためです。

ただし、一部の保証会社では連帯保証人を設定することで初回保証料が減額されるプランが用意されているケースがあります。例えば通常50%のところ、連帯保証人を付けることで低くなるプランです。利用できるかどうかは保証会社や物件によって異なるため、契約前に確認することをおすすめします。

保証会社を利用するメリット

保証会社の利用には費用がかかりますが、借主・貸主の双方にメリットがあります。

借主側のメリット

連帯保証人が不要になる場合が多く、親族に依頼する手間と心理的負担がなくなります。連帯保証人を立てる場合は署名・実印・印鑑証明書などの手続きが必要ですが、保証会社の審査のみで済むため契約手続きが簡単になります。

また、保証会社による審査は信用情報をもとに進むため、結果が比較的短期間で出ます。在籍確認の電話が省略されるケースも多く、審査がスムーズに進みやすいのも特徴です。さらに、保証会社の利用を前提とした物件では敷金・礼金が低く設定されていたり、不要になっているケースも増えています。

貸主側のメリット

家賃滞納時に保証会社が立て替えを行うため、家賃回収リスクを抑えることができます。保証会社による入居審査で一定基準の信用確認が行われ、反社会的勢力のチェックも含まれるため、リスク管理につながります。また、毎月の賃料確認や滞納時の督促対応の手間も省けます。

保証会社の審査の種類

保証会社の審査では、入居者が家賃を継続して支払えるかどうかが確認されます。年収・勤務先・勤続年数・過去の支払い状況などが判断材料になります。保証会社は大きく3種類に分かれており、審査基準が異なります。

信販系

クレジットカード会社と同じ信用情報(CICなど)をもとに審査。過去にカード・ローンの支払い遅延があると影響することがある。

協会系

家賃保証会社の業界団体が共有する滞納情報などを参考に審査。過去の家賃滞納が審査に影響することがある。

独立系

独自の基準で審査。信販系の信用情報を使わないケースもあり、他社で審査が通らなかった場合でも契約できることがある。

家賃を滞納するとどうなるのか

保証会社を利用している場合、入居者が家賃を支払えなかったときは保証会社が貸主に対して立て替えを行います。ただし、保証会社が立て替えた分の支払い義務は入居者に残り、後日保証会社から請求されます。

支払いが遅れると保証会社から電話・書面での督促が行われ、滞納が続くと返済方法についての協議・分割払いの交渉などに進みます。また、滞納が長期化した場合は信用情報に影響が出る可能性があります。特に信販系の保証会社を利用している場合は、クレジットカードやローンの利用にも影響する可能性があります。

さらに、家賃滞納の情報は保証会社間で共有されることがあり、次の賃貸物件の審査に通りにくくなるケースもあります。督促に応じない・連絡が取れないといった状況が続いた場合、保証会社が比較的早い段階で訴訟などの法的手続きに進むケースもあり、最終的には賃貸借契約の解除・強制退去につながる可能性もあります。

滞納しそうな場合は早めの相談を

家賃の支払いが難しくなりそうな場合は、滞納したまま放置せず早めに保証会社や管理会社に相談してください。状況によっては支払い方法の相談に応じてもらえるケースもあります。


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まとめ

保証会社とは、賃貸契約において入居者の家賃支払いを保証する会社で、現在では多くの物件で利用が契約条件となっています。以前は連帯保証人が一般的でしたが、民法改正や家族関係の変化などを背景に保証会社利用が主流となりました。

保証料には初回保証料のほか更新保証料・月額保証料が発生する場合があるため、契約前に詳細を確認することが重要です。また、保証会社には信販系・協会系・独立系の違いがあり、審査基準が異なるため、事前に把握しておくと役立ちます。

家賃を滞納した場合、保証会社が立て替えても支払い義務はなくならず、信用情報や今後の賃貸契約にも影響する可能性があります。賃貸物件を契約する際には、保証会社の仕組みや費用を事前に理解しておくことが重要です。