結論から言うと、ペット可賃貸は全体の物件のうち20〜30%程度しかなく、犬・猫・2匹以上といった条件が加わるほど選択肢は急激に狭まります。ただし、探す順序とコツさえ押さえれば、希望に近い物件へたどり着くまでの時間を大きく短縮できます。
私の経験上、遠回りしてしまう方の多くは「ポータルサイトで探す→問い合わせる→条件が合わず断念する」を繰り返しており、最初の情報収集の仕方に原因があるケースがほとんどです。この記事では、名古屋の賃貸仲介の実務経験をもとに、ペット可物件が見つかりにくい理由から、効率よく探す6つのコツ、犬・猫・多頭飼育別の注意点、申込前に確認すべき条件、家賃・敷金などの費用の目安までを解説します。

最終更新日:2026年7月19日
ペット可賃貸が見つかりにくい理由
ペット飼育が可能な賃貸物件は、名古屋エリアでもおおむね全体の20〜30%程度にとどまります。単純計算では、通常の部屋探しに比べて選べる物件が3分の1〜4分の1に減ることになります。
マチラボが2026年7月に全取扱物件を調査したところ、ペット飼育可の物件は全体の約25%でした。さらに、そのうち約45%は猫の飼育が不可となっており、「犬は可能だが猫は不可」という条件の物件が実際には多いことが分かります。
ペット可物件が少ない背景には、貸主・管理会社側の事情があります。原状回復費用の増加、鳴き声・臭いによる近隣トラブルのリスク、飼育条件の設定や覚書の取り交わしといった管理業務の負担増加が主な理由です。分譲マンションでは、貸主の意向とは関係なく管理規約でペット飼育自体が制限されているケースもあります。
ペット可賃貸を効率よく探す6つのコツ
ペット可賃貸は数が少ない分、探し方次第で見つかるまでの期間に大きな差が出ます。私の経験上、次の6つを順番に実践することが最も効率的です。
- ①ポータルサイトは「ペット相談可」で絞り込んだうえで、詳細条件は直接確認する
物件情報サイトの表示だけでは、犬のみ可か猫も可か、頭数は何匹までかまでは分からないことがほとんどです。「ペット相談可」の表示があっても、実際には「小型犬1匹まで」など条件が限定されているケースが多いため、気になる物件が見つかったら候補を絞り込む前に不動産会社へ詳細条件を確認しましょう。物件を1件ずつ問い合わせていると時間がかかるため、複数候補をまとめて確認依頼すると効率的です。 - ②犬・猫の種類、大きさ、頭数を最初に具体的に伝える
「小型犬1匹、体重5kg程度」のように、種類・体重・頭数を具体的に伝えることで、不動産会社側も条件に合う物件を的確に絞り込めます。あいまいに「犬を飼っています」とだけ伝えると、条件に合わない物件まで提案されてしまい、確認のやり取りが増えて時間のロスにつながります。 - ③エリア・駅からの距離・築年数のいずれか1つの条件を広げる
ペット可の条件を最優先にする場合、他の条件をすべて維持したままでは候補がほとんど出てこないことがあります。私の経験上、駅からの距離を5分程度広げる、隣接エリアまで対象を広げる、築年数の上限を5年程度延ばすなど、1つの条件だけを緩めるだけでも候補数は大きく変わります。 - ④気に入った物件は早めに動く
ペット可物件は通常の物件より競争率が高い傾向があります。申込みは先着順のため、条件に合う物件が見つかったら、内見の予定を後回しにせず、できるだけ早く不動産会社へ連絡することが重要です。検討している間に他の申込みが先に入ってしまうケースは少なくありません。 - ⑤予算はペット飼育不可の条件の物件より1割程度高めに見ておく
ペット可物件は、同じエリア・同じ広さのペット不可物件と比べて、賃料や初期費用の総額が1割程度高くなる傾向があります。相場感を通常の条件のまま探してしまうと、候補が見つかっても予算オーバーで断念することになりかねません。最初から1割程度の上乗せを見込んで予算を設定しておくと、物件探しがスムーズに進みます。 - ⑥信頼できる不動産会社に相談する
ペットの飼育条件を正確に確認し、条件に合わない場合は代替提案までしてくれる不動産会社を選ぶことが、遠回りを防ぐ一番の近道です。
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犬・猫・2匹以上・中大型犬で探し方はどう違う?
ペット可物件の中でも、飼育できる動物の種類や頭数によって物件数には大きな差があります。私の経験上、条件が重なるほど早めの行動と条件の見直しが必要になります。
ペット可・ペット相談可の違い
結論としては、「ペット可」と「ペット相談可」の違いは実務上ほとんどありません。「ペット相談可」は、種類・大きさ・頭数を確認したうえで貸主や管理会社の承諾が必要という意味であり、既定の条件に合うペットであれば飼育できるケースがほとんどです。募集広告の表記だけで判断せず、いずれの表示でも詳細条件は個別に確認することをおすすめします。
一部ではありますが、実際にはペット飼育が不可の物件にもかかわらず「ペット相談可」と表記し、問い合わせを増やす目的で「相談」という表現を使っている不動産会社も見受けられます。問い合わせると「貸主に確認したところ不可でした」「金魚ならOKです」などと説明され、別の物件を紹介されるというパターンです。このようなケースを避けるためにも、来店前にメールやLINEなどの文面で、飼育したいペットの種類・大きさ・頭数を具体的に伝えたうえで、実際に飼育可能かどうかを確認しておくことをおすすめします。
申込前に確認する7つの条件
ペット可物件は「見つかった」ことがゴールではありません。条件確認が不十分なまま申込みを進めると、審査の途中や契約直前になって「思っていた条件と違った」と分かり、振り出しに戻ってしまうこともあります。申込前に次の7つを確認しておくことで、こうしたトラブルを防げます。
- ①飼育できる動物の種類(犬のみ/猫のみ/両方可 など)
- ②頭数の上限
- ③体重・サイズの上限
- ④賃料・敷金・礼金の増額の有無と金額
- ⑤鳴き声・臭い・共用部でのマナーに関するルール
- ⑥狂犬病予防接種証明書など、提出が必要な書類
- ⑦退去時の原状回復に関する基準
これらの条件は募集広告に詳細まで記載されていないことが多く、申込後の入居審査の段階で初めて確認が必要になるケースもあります。審査全体の流れをあらかじめ把握しておくと、書類の準備もスムーズです。
ペットを飼うと家賃・敷金・退去費用はいくら増える?
ペット飼育を条件に契約する場合、通常の初期費用に加えて追加費用が発生することが一般的です。私の経験上、追加費用が発生しない物件はペット可物件の1割程度にとどまります。
これらの条件は物件ごとに異なり、複数が組み合わされることもあります。猫の場合は追加の敷金、2匹目から賃料がさらに増額されるといった条件が設けられることもあるため、ペットを飼う予定がある旨を伝えたうえで費用の詳細を確認してください。
内見時に確認したいポイント
条件が合う物件が見つかっても、内見をせずに申込みを決めてしまうと、入居後に「思っていたより傷がつきやすい」「近隣トラブルが起きやすい環境だった」と後悔するケースがあります。私の経験上、ペット可物件の内見では、通常の内見項目に加えて次の点も確認しておくと安心です。
- 共用部(エレベーター・廊下)でペットとすれ違う動線があるか
- 床材の傷つきやすさ、階下への防音性
- ベランダや窓からの脱走・転落を防げる構造か
- 近くに動物病院や、ペットフードやグッズを買えるスーパー・ドラッグストアがあるか
将来ペットを飼う場合の注意点
ペットを飼育する予定はあるものの、まだ飼育時期が決まっていない場合は、一旦はペット飼育なしの条件で契約し、その後、貸主側に飼育の許可を取るという方法もあります。ただし、その場合は敷金・礼金の追加や賃料の増額を求められることがあり、契約時よりも条件が厳しくなる可能性がある点には注意が必要です。
また、ごくまれにではありますが、ペット飼育可の物件であっても、管理会社や貸主側の事情で途中から飼育不可へ条件変更されたり、飼育可能なペットの種類が変更されたりするケースもあります。将来的に飼育を予定している場合は、こうした可能性も踏まえたうえで検討することをおすすめします。
よくある質問
まとめ
- ペット可賃貸は全体の20〜30%程度と選択肢が限られる
- 犬・猫・頭数によって物件数に大きな差がある
- 条件を最初に具体的に伝え、エリアなどの条件を1つ広げるのが効率的な探し方
- 申込前に飼育条件・追加費用・書類の7項目を確認する
- 賃料は月500〜5,000円、敷金・礼金は1〜2か月分の増額が目安
- 信頼できる不動産会社に相談することが、遠回りを防ぐ一番の近道
