名古屋で賃貸を探すなら、SUUMOとHOME’Sの2サイトを使えば、市内で流通している物件のほぼ全体をカバーできます。ただし、検索結果に表示される件数がそのまま「選べる物件の数」を意味するわけではなく、同じ物件が複数の不動産会社から重複して掲載されている点には注意が必要です。名古屋で1,000件以上の契約を支援してきた仲介会社の立場から、SUUMO・HOME’S・アットホームそれぞれの実態と、失敗しない使い方を解説します。
1. 結論:名古屋の賃貸探しはSUUMOとHOME’Sで十分
結論から先にお伝えします。名古屋で賃貸物件を探す場合、SUUMOとHOME’Sの2サイトを並行して使えば、市内で流通している物件のほぼ全体を確認できます。アットホームは、この2サイトで見つからない場合や、事業用物件を探す場合に補助的に使う位置づけで十分です。
- 掲載件数が多いサイトほど、選べる物件が多いとは限らない(同一物件の重複掲載があるため)
- 写真や室内の雰囲気をしっかり確認したいなら、HOME’Sが見やすい
- とにかく多くの物件から比較したいなら、SUUMOの掲載数が最も多い
- 地場の管理会社の物件や事業用物件を探すなら、アットホームも確認する
2. 賃貸ポータルサイトとは?仕組みをまず理解する
SUUMO・HOME’S・アットホームなどの賃貸情報サイト(ポータルサイト)は、複数の不動産会社が掲載料を支払って物件情報を登録する広告媒体です。運営会社自身が物件を保有しているわけではありません。
物件を掲載するかどうかは各不動産会社の判断に委ねられているため、「SUUMOには掲載しているがHOME’Sには掲載していない」というケースや、逆にHOME’Sにしか出ていない物件も存在します。また、同じ物件が複数の不動産会社からそれぞれ掲載されるため、重複表示が生じやすい構造になっています。この仕組みを理解した上で使うことが、賢い部屋探しの第一歩です。
3. 3サイトの特徴比較(一覧)
(名寄せ機能)
表示件数について1点補足します。ポータルの「掲載件数」は、同一物件の重複掲載や、部屋単位・建物単位のカウント方法の違いによって、そのまま「選べる物件数」を意味するわけではありません。検索結果が多く表示されるサイトほど選択肢が広いとは限らない、という点は覚えておくと便利です。募集終了物件への対策の詳しい違いは、以下の記事で詳しく比較しています。
おとり物件が少ないサイトは?SUUMO・ホームズ・アットホームを仲介業者が比較
4. 掲載件数がそのまま物件数を意味しない理由
賃貸物件の多くは、貸主や管理会社が仲介会社向けの募集情報として広く公開しており、それを見た複数の仲介会社がそれぞれ独自にSUUMO・HOME’S・アットホームや自社サイトへ掲載しています。つまり、SUUMOに10,000件、HOME’Sに8,000件掲載されていたとしても、それらを単純に合算した数の物件が存在するわけではなく、大部分は同じ募集物件が重複してカウントされています。
私の経験上、名古屋の賃貸市場では、実務の感覚としておよそ8割程度の物件がどの不動産会社でも取り扱い可能です。「どのサイトで見つけたか」よりも「どの不動産会社に問い合わせるか」で、初期費用や対応の質に差が出ることのほうが多いというのが実感です。この仕組みと、問い合わせる会社を選ぶポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
同じ賃貸物件を複数の不動産会社が掲載している理由|条件の違いも仲介業者が解説
5. SUUMO(スーモ)の特徴と注意点
運営:株式会社リクルート。物件情報数・利用者数ともに国内最大級のポータルサイトです。新着物件の掲載スピードが早く、多くの不動産会社がまず最初にSUUMOへ物件を掲載するため、掲載数は他サイトを大きく上回ります。
同じ物件情報をまとめる名寄せ機能が他サイトと比べて優れており、特にスマートフォン版では重複した物件が整理されて表示されます。掲載件数に応じて費用が発生する仕組みのため、不動産会社側は反響を取りたい物件を厳選し、写真も充実させる傾向があります。
1つの物件に対して30社以上の不動産会社が同時に掲載しているケースもあり、どの会社の情報が上位に表示されるかはタイミングによって変わります。気になる物件は複数の掲載ページを比べるか、直接不動産会社へ問い合わせるのが確実です。
2026年7月15日、名古屋市東区・中区でSUUMOに掲載されている物件1,000件を無作為に抽出し、実際の募集状況と照らし合わせて調査したところ、約15%が募集終了または申込済みであることが確認されました。募集終了後の掲載が残る理由には、意図的な放置だけでなく、管理会社からの情報反映の遅れなど悪意のないケースも含まれます。サイトごとの傾向の違いは、以下の記事で詳しく比較しています。
おとり物件が少ないサイトは?SUUMO・ホームズ・アットホームを仲介業者が比較
6. HOME’S(ホームズ)の特徴と注意点
運営:株式会社LIFULL。物件画像の掲載数と充実度を重視しているサイトで、写真や設備の雰囲気を視覚的に確認しやすいのが特徴です。間取り図だけではイメージが湧きにくいという方に向いています。
募集終了物件の検知や、一部管理会社とのシステム連携による自動削除の仕組みを導入しており、募集終了物件への対策に力を入れているサイトです。
掲載物件数はSUUMOと比べるとやや少ない傾向があります。ただし、SUUMOに掲載されている物件の多くはHOME’Sにも掲載されているため、利用者が大きく情報を取りこぼすことはほとんどありません。また、同じ建物の情報をひとつにまとめる名寄せ機能がSUUMOほど強くないため、同一マンションの部屋情報が別々の物件として複数登録されるケースが見られます。
7. アットホームの特徴と注意点
運営:アットホーム株式会社。地域密着型の中小不動産会社が多く加盟しているのが特徴です。地元密着の管理会社やオーナーが直接登録している物件もあり、SUUMOやHOME’Sには掲載されていない物件が見つかることがあります。ただし、アットホームだけに広告掲載されている物件であっても、その不動産会社しか仲介できないとは限りません。ポータルへの掲載の独占と、仲介そのものの独占は別の話である点には注意してください。また、店舗・事務所などの事業用物件の掲載数が多く、住居以外の物件を探す方にも有用です。
名古屋エリアにおいては、名寄せ機能が他の大手2サイトほど強くなく、同じマンションやアパートの部屋情報が複数表示されるケースが多く見られます。また、掲載情報の更新頻度がやや遅い傾向があり、すでに募集が終了した物件が長期間「募集中」として掲載されたままになっているケースも見受けられます。
8. SUUMO・HOME’S・アットホームは全部見る必要がある?
結論として、名古屋の一般的な居住用賃貸であれば、SUUMOかHOME’Sのどちらか一つでも、ある程度探すことができます。より網羅的に比較したい場合に両方を確認する、という使い方で十分です。アットホームまで毎日確認する必要性は、住居用物件を探す限りではそれほど高くありません。
目的別に整理すると、以下のようになります。
- 物件をたくさん比較したい → SUUMO
- 写真・室内の雰囲気を重視したい → HOME’S
- 地域密着の会社や事業用物件も探したい → アットホームも追加で確認
- 効率よく決めたい → SUUMOかHOME’Sのどちらかを軸に、新着物件をこまめに確認
- 初期費用を安くしたい → サイト選びより、問い合わせる不動産会社の比較を優先
ポータルサイトを何個も増やして探すことよりも、条件を適切に設定して新着物件をこまめに確認すること、そして最終的にどの不動産会社に問い合わせるかを比較することのほうが、実務上は効果があります。不動産会社ごとの仲介手数料や対応の違いについては、以下の記事も参考にしてください。
不動産会社による違いとは?仲介手数料・物件数・営業スタイルの違いを解説
なお、当社ではポータルサイトの掲載情報だけで空室状況を判断せず、管理会社への確認を経てからご案内する運用を徹底しています。名古屋市内の物件であれば、SUUMOやHOME’Sに掲載されている物件の多くを、当社でも仲介手数料無料でご紹介可能です。
仲介手数料無料とは?仕組みと、できる理由・できない理由、デメリットはあるのかを不動産会社が解説
まとめ
- 名古屋の賃貸探しは、SUUMOとHOME’Sの2サイトでほぼ全体をカバーできる
- 掲載件数が多いサイトほど選べる物件が多いとは限らない
- 同じ物件が複数社から掲載されるのは、業者間で募集情報が共有されているため
- アットホームは地場の物件や事業用物件を探すときに補助的に使う
- サイト選びより、どの不動産会社に問い合わせるかのほうが初期費用や対応の差につながりやすい
