入居審査とは
入居審査とは、入居希望者が「きちんと家賃を支払い、問題なく生活できるか」を確認するために行われる手続きです。単純に「家賃を払える収入があるか」だけでなく、近隣トラブルを起こす懸念がないかなど、信頼関係を事前に確認するためのプロセスといえます。
そのため、書類の正確さや対応の丁寧さも審査の印象に影響します。申込みの時点から誠実な対応を心がけることが大切です。
現在はほとんどの物件で保証会社の利用が必須となっており、審査は保証会社・管理会社・貸主の3段階で行われるのが一般的です。
入居審査の流れ
- 1
仲介会社へ申込みの意思を伝える
気に入った物件が見つかったら、仲介会社へ「申込みをしたい」と伝えます。この時点ではまだ正式な契約ではなく、「この部屋を借りたい」という意思表示の段階です。申込みは先着順のため、入居を希望する場合は早めに連絡することが重要です。
- 2
入居申込(申込書の記入)
申込書に氏名・勤務先・収入・緊急連絡先などの情報を記入します。現在はオンライン申込が主流ですが、紙の申込書を使う管理会社もあります。記入漏れがあると審査がスタートしないため、正確に記入することが重要です。
- 3
必要書類の提出
身分証明書・就業証明・収入証明などを提出します。オンライン申込の場合は画像データやPDFで添付するのが一般的です。書類が揃った時点で審査がスタートします。
- 4
審査(保証会社 → 管理会社 → 貸主)
保証会社、管理会社、貸主の順に審査が進みます。各審査は並行して行われる場合もあります。
- 5
審査結果の通知
審査が完了すると、仲介会社を通じて結果が通知されます。審査通過の場合はそのまま契約手続きへ進みます。万一通過しなかった場合でも、別の保証会社を利用できるケースがあるため、担当者に相談してみましょう。
入居申込の記入内容
入居申込では、以下のような情報を正確に記入します。オンライン申込の場合はすべての必須項目を入力しないと申込が完了しない仕組みになっているため、事前に情報を手元に揃えておくとスムーズです。
賃貸の申込とは?必要書類・流れ・キャンセルできるかをわかりやすく解説
| 物件利用関連 | 入居希望日 / 駐輪場・駐車場利用の有無 / ペット飼育の有無 / 転居理由 |
|---|---|
| 本人情報 | 氏名・生年月日・現住所 / 携帯電話番号・メールアドレス / 借入金(クレジット・ローン等)の有無 |
| 勤務(就学)先情報 | 勤務先名・所在地・電話番号 / 雇用形態(正社員・契約社員・アルバイト・自営業など) / 所属部署・勤続年数・年収(月収) |
| 緊急連絡先情報 | 氏名・生年月日・住所・携帯電話番号 / 申込者との関係 / 勤務先名・住所など ※多くの物件では3親等以内の親族(両親・兄弟姉妹・祖父母など)が対象です。70歳未満の方を指定条件とする物件もあります。審査時に本人確認の電話が入ることがあるため、事前にご連絡先の方に伝えておくと安心です。 |
| 連帯保証人(必要な場合) | 氏名・生年月日・住所・携帯電話番号 / 勤務先名・勤務先住所・電話番号・年収など |
緊急連絡先の方の生年月日や勤務先情報は、意外と把握していない方が多い項目です。申込前に確認しておくと記入漏れを防げます。書面での申込の場合は記入漏れがあると審査が開始されないため、特に注意が必要です。
必要書類について
提出が必要な書類は物件や管理会社によって異なりますが、基本的には以下の3種類が求められます。連帯保証人が必要な物件では、保証人分の書類も同様に必要となります。
① 身分証明書
- 運転免許証
- マイナンバーカード(顔写真付き)
※パスポートや保険証のみでは申込を受け付けない物件もあります。身分証明書上の住所と現住所が異なる場合は、公共料金の領収書などの追加提出が必要になる場合があります。
② 就業・就学証明
- すでに勤務中の方:社名が記載された健康保険証(マイナ保険証の場合は資格情報が確認できる画面)、または勤務先発行の就業証明書 など
- 転職・就職予定の方:内定通知書、労働条件通知書、雇用契約書 など
- 自営業の方:開業届、確定申告書、業務委託契約書、事業内容が確認できるURLなど
- 学生の方:学生証、合格通知書 など
③ 収入証明
- すでに勤務中の方:源泉徴収票、住民税課税決定通知書、直近3か月分の給与明細書 など
- 転職・就職予定の方:予定収入が記載された内定通知書、労働条件通知書 など
- 自営業の方:確定申告書、納税証明書、通帳の入出金記録(収入が確認できるもの) など
書類に関する注意点
- ②・③は物件や管理会社によって提出が不要な場合もありますが、審査の途中で追加提出を求められるケースもあります。
- 近年は虚偽申告・書類偽造防止のため、本人確認や書類確認に時間を要する傾向があります。
- 審査段階では不要ですが、契約時に住民票・印鑑登録証明書・納税証明書の提出を求める物件もあります。特に住民票は比較的多くの物件で必要となるため、事前に確認しておくと安心です。
審査にかかる期間
入居審査は「保証会社審査」「管理会社審査」「貸主審査」の3段階で進みます。それぞれの審査にかかる期間の目安を以下にまとめました。
| 審査の種類 | 目安期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 保証会社審査 | 即日〜翌日 | 申込内容や必要書類に漏れ・不備がなければ最速。電話確認が入る場合は確認が取れるまで保留になる。 |
| 管理会社審査 | 即日〜3日程度 | 保証会社審査と並行して行われることが多い。 |
| 貸主審査 | 1〜3日程度 | 法人オーナーは社内決裁が必要なため、より時間がかかる場合がある。 |
| トータル(目安) | 3〜4日程度 | 不備なし・連休なしの場合。繁忙期や連休をまたぐ場合は1〜2週間程度になることも。 |
保証会社審査
申込内容や必要書類に漏れ・不備がなければ、早ければ申込当日(即日)に審査結果が出ることもあります。一般的には翌日には結果が通知されるケースが多いです。
ただし、物件によっては申込者本人や緊急連絡先への電話確認が入る場合があります。確認が取れるまで審査が一時保留となるため、連絡がつかないと結果が遅れることがあります。申込時に正確な連絡先を伝え、確認電話が来る可能性を緊急連絡先の方にも事前に伝えておくと安心です。
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管理会社審査
管理会社審査では、入居希望日までにルームクリーニングや補修作業が完了できるか、また過去に同じ管理会社の物件に入居していた場合は近隣トラブルなどの履歴がないかを確認します。保証会社審査と並行して行われることが多く、即日から3日程度が目安です。
物件によっては保証会社の審査通過をもって管理会社審査が省略されるケースもあります。
また、管理会社や貸主によっては、職業・勤務形態を審査の基準のひとつとしている物件もあります。たとえば、夜職・夜の飲食関係の方、学生、アルバイト、自営業の方を入居対象外としているケースがあり、申込前に条件を確認しておくことが重要です。こうした条件は募集広告に明記されていないケースもあるため、仲介会社を通じて事前に確認しておくと余計なトラブルを防げます。
管理会社とは?役割・業務内容・オーナーとの関係をわかりやすく解説
貸主審査
保証会社・管理会社の審査を通過した後に行われるのが貸主審査です。入居希望者への最終的な入居可否を判断するのは貸主となります。
管理会社と貸主が同一の場合は保証会社審査と同時に完了し、即日で審査通過となるケースもあります。平均的には2〜3日程度かかることが多いです。
貸主が法人(企業・不動産会社など)の場合は、社内での稟議や決裁プロセスが必要なため、個人オーナーと比べて審査に時間がかかる傾向があります。担当者が即断できず、上長の承認を経る必要があるため、1週間程度かかることも珍しくありません。ゴールデンウィークや年末年始などの休業期間と重なると、さらに日数が延びる場合もあります。
一方、貸主が個人オーナーの場合は、物件への思い入れや独自のこだわりから、職業や生活スタイルについて細かく確認されることもあります。こうした判断基準は募集広告に明記されていないことが多いため、仲介会社を通じて事前に確認しておくとスムーズです。
トータルでどれくらいかかるか
申込書と書類に不備がない状態で申込を完了してから審査結果が出るまで、当社の実績では平均3〜4日程度となっています。ただし実際の審査期間は物件・管理会社・貸主の対応状況によって大きく異なります。
追加書類の提出を求められた場合や、電話確認に時間を要した場合は日数が延びることがあります。また、ゴールデンウィーク・年末年始などの休業期間と重なると、2週間程度かかるケースもあります。
入居希望日が決まっている場合は、審査期間を見越して余裕をもって申込むことを強くおすすめします。
まとめ
入居審査の基本的な流れと、各段階にかかる期間をまとめると次の通りです。
- 審査は「保証会社 → 管理会社 → 貸主」の順で進み、トータルで3〜4日が目安
- 書類の不備や電話確認の遅れが、審査期間が延びる主な原因
- 職業・勤務形態を入居条件としている物件もあるため、事前に仲介会社へ確認を
- 貸主が法人の場合は社内決裁が必要なため、審査に時間がかかる傾向がある
- ゴールデンウィーク・年末年始と重なると2週間程度かかることもある
- 入居希望日が決まっている場合は、早めに申込むことが重要
マチラボでは、申込の際に「この物件はどのくらい審査に時間がかかるか」「どのような書類が必要か」を丁寧にご説明しています。初めてのお部屋探しでも安心してご相談ください。
執筆者
株式会社マチラボ 代表取締役
1級FP技能士・宅地建物取引士・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士
これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。
1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。
また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。