不動産屋にLINE登録を求められたら注意?断ってよいケースと見分け方

SUUMOなどで気になる物件に問い合わせたら、空室状況や初期費用の回答がないまま「詳しい情報はLINEでお送りします」とLINE登録を求められた——このような経験に不安を感じている方は少なくありません。

結論から言うと、LINEでのやりとり自体に問題はありません。ただし、問い合わせた物件についてメールで何も回答せず、LINE登録を事実上の条件のように扱う不動産会社には注意が必要です。信頼できる不動産会社であれば、まず問い合わせ時に入力されたメールアドレスへ空室状況や募集条件を回答し、その後の連絡方法をメール・電話・LINEから選べるようにするのが通常の対応です。

私の経験上、こうした対応の違いは、その不動産会社が顧客の利便性を優先しているか、自社の営業効率を優先しているかを見分ける手がかりになります。この記事では、LINE登録を求められたときに確認すべきポイントと、注意した方がよい対応のパターンを、賃貸仲介の実務経験をもとに解説します。

不動産会社からLINE登録を求められて悩む女性のイメージ

最終更新日:2026年07月15日

不動産屋にLINE登録を求められたら確認すべきこと

SUUMOなどのポータルサイトから物件に問い合わせると、入力したメールアドレス宛に不動産会社から返信が届きます。この最初の返信の内容が、その不動産会社の信頼性を判断する重要な手がかりになります。

注意が必要なのは、次のようなケースです。

  • 問い合わせ時にメールアドレスも入力している
  • 不動産会社からメールは届いたが、空室状況や初期費用は書かれていない
  • 「詳しい情報はLINEでお送りします」とLINE登録だけを求められた

この場合、不動産会社はすでにメールで回答する手段を持っています。にもかかわらず問い合わせへの回答をせずLINE登録を先に求めるのは、利用者の利便性よりも自社の営業活動をしやすくすることを優先している可能性があります。

ポイント

確認すべきなのは「LINEを使っているかどうか」ではなく、「問い合わせた物件についてメールで回答してくれるかどうか」です。この点を基準にすると、対応の良し悪しを判断しやすくなります。

LINEでのやりとり自体に問題はない

ここで誤解のないように補足しておきます。LINEでのやりとりには、不動産会社・利用者の双方にとってメリットがあります。

  • 物件資料や写真を送りやすい
  • メールより通知に気づきやすい
  • 内見日時を調整しやすい
  • ちょっとした質問をしやすい
  • やりとりの履歴が残る

当社(株式会社マチラボ)でもLINEでのお問い合わせに対応しており、LINE自体を否定しているわけではありません。重要なのは、LINEは複数ある連絡手段のひとつであり、最初から利用を事実上強制するものではないという点です。

信頼できる不動産会社の対応フロー

私の経験上、まともに対応している不動産会社の流れは、おおむね次の順番になります。

  1. 問い合わせ時に入力されたメールへ返信する
  2. 問い合わせ物件の空室状況を回答する
  3. 募集中であれば募集条件や内見方法を案内する
  4. 募集終了であれば、その旨を正直に説明する
  5. 希望があれば代替物件を提案する
  6. 今後の連絡方法として、メール・電話・LINEなどを選んでもらう

この順番であれば、LINEを利用するかどうかを顧客自身が判断できます。物件の回答という「本来先に届くべき情報」が先に提供されるため、その後にLINEを案内されても、断りやすく感じられるはずです。

メールで回答せずLINEに誘導する理由

不動産会社側にも、LINEへ誘導したくなる営業上の理由があります。

  • メールよりもメッセージを見てもらいやすい
  • 別の物件を継続的に提案しやすい
  • 来店や内見へ誘導しやすい
  • 担当者が追客(フォロー営業)しやすい
  • 問い合わせ物件が終了していても、別物件の顧客として関係を継続しやすい

LINEを案内すること自体は、通常の営業活動の範囲です。問題なのは、問い合わせへの回答と引き換えにLINE登録を求めることです。物件情報を届けることよりも、LINE登録という接点の確保が目的化してしまっている状態と言えます。

注意

「LINEを利用しているから信頼できない」わけではありません。連絡手段を顧客に選ばせず、問い合わせへの回答を後回しにしてLINE登録へ誘導する姿勢が問題だという点を混同しないようにしてください。

おとり物件とLINE誘導が組み合わさるケースに注意

SUUMOなどに条件のよい物件が掲載され、問い合わせるとLINE登録を求められ、登録後に「先ほど決まってしまいました」「直前に申込が入りました」と伝えられて、別の物件を提案されるという流れは典型的なパターンのひとつです。

不動産公正取引協議会連合会も、インターネット広告における表示の留意事項を公表しており、実際には取引する意思のない物件を集客に利用する行為は、単なる営業手法として許容されるものではありません。募集終了物件や存在しない物件を問い合わせの呼び水に使う行為は、宅地建物取引業法や不動産の表示に関する公正競争規約の対象になります。

おとり物件そのものの定義や見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。

おとり物件とは?賃貸で使われる手法・見分け方・注意点を不動産会社が解説

ただし、次の点には注意してください。問い合わせ後に本当に申込が入り、募集が終了することもあります。「決まりました」と言われただけで、おとり物件と断定することはできません。問題なのは、問い合わせた物件についてメールでは回答せず、LINE登録後に毎回のように募集終了を告げ、別物件へ誘導するという対応が繰り返されるケースです。

「直前で決まりました」と言う会社が正直とは限らない

利用者としては、「募集中だと嘘をつかず、決まったことを正直に教えてくれた」と好意的に受け取ることもあるかもしれません。

しかし、本当に募集終了しているのであれば、LINEに登録させる必要はありません。問い合わせ時に入力されたメールへ、次のように送れば済むはずです。

ポイント

「お問い合わせいただいた物件は、直前に申込が入り募集終了となりました」——この一文をメールで送るだけで、利用者は十分に納得できます。募集終了を伝える前にLINE登録を求めるということは、物件情報を伝えるためではなく、今後ほかの物件を営業するための接点を先に確保したかった可能性があります。

「募集中なので来店してください」にも同様の注意が必要

もうひとつのパターンとして、次のような対応にも注意してください。

  • 空室確認の根拠を説明しない
  • 内見できるかどうかを答えない
  • 詳細な初期費用を出さない
  • 「店舗に来れば説明します」と言う
  • LINE登録と来店予約だけを求める

問い合わせた物件が本当に募集中であれば、通常はメールでも次の情報を回答できるはずです。

  • 現在募集中かどうか
  • 内見できるかどうか
  • 入居可能時期
  • 賃料や初期費用のおおまかな内訳
  • 申込の有無
  • 待ち合わせ方法

「募集中です」とだけ伝えて来店を促し、来店後に「先ほど決まりました」と別の物件を紹介する対応にも、同じ注意が当てはまります。

LINE登録を断ってもよい

結論として、LINEを利用したくなければ断って問題ありません。断るときの文面としては、次のような伝え方があります。

返信例

「LINEは利用していないため、問い合わせ時に入力したメールアドレス宛てに、空室状況と募集条件をご回答いただけますでしょうか。」

「まずは問い合わせた物件の募集状況をメールで教えてください。LINEでのやりとりは、内容を確認してから検討します。」

これに対して「LINEでなければ回答できません」「登録しなければ紹介できません」「まずは友だち追加をお願いします」と繰り返すだけの会社であれば、利用を見送って問題ないというのが私の考えです。

また、返信すること自体が必須というわけでもありません。LINE登録を求めるメールに対して、そもそも返信せず無視して問題ありません。他の不動産会社に問い合わせ直す方が早いケースも多いです。

注意

私の経験上、LINE登録をしなければ物件情報を一切教えてくれない不動産会社は、対応の信頼性そのものに疑問があります。加えて、そのように情報を出し渋る背景には、問い合わせた物件がすでに募集を終了している可能性が高いケースが多く見られます。物件が実際に募集中であれば、メールの時点で基本的な情報を答えられるはずだからです。

LINE登録を強く求める会社を避けた方がよい理由

ここまでの内容を整理すると、次のような理由が見えてきます。

  • 顧客の希望より営業効率を優先している
  • 問い合わせへの回答を意図的に先延ばしにしている
  • 物件情報の提供より、顧客情報の取得が目的になっている
  • 別物件への誘導を前提にしている可能性がある
  • 今後もしつこく営業される可能性がある

繰り返しになりますが、「LINEを利用しているから信頼できない」のではありません。連絡手段を顧客に選ばせず、問い合わせへの回答を人質のようにしてLINE登録へ誘導する姿勢そのものが、信頼性の判断材料になるということです。

このような返信が来たら別の不動産会社への問い合わせも検討する

実際の返信内容の傾向を比べると、判断しやすくなります。

注意したい返信の例

「お問い合わせありがとうございます。詳しい状況はLINEでお伝えしますので、こちらから友だち追加をお願いします。」「最新の空室情報はLINE限定でお送りしています。」

比較的信頼できる返信の例

「お問い合わせいただいた部屋は現在募集中です。内見は〇月〇日以降可能です。今後の連絡はメール・電話・LINEのうち、ご希望の方法をお知らせください。」

同じ物件は複数の仲介会社が取り扱えることが多いため、無理に1社にこだわる必要はありません。問い合わせの対応に違和感があれば、他社にも合わせて確認することをおすすめします。同じ物件を複数の会社が掲載している仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。

同じ賃貸物件を複数の不動産会社が掲載している理由|条件の違いも仲介業者が解説

不安な場合の対処方法

LINE登録を求められて不安に感じた場合は、次の方法を試してみてください。

  • LINE登録の前に、メールで空室状況を尋ねる
  • 同じ物件を別の不動産会社にも問い合わせてみる
  • 物件名と号室を伝えて募集状況を確認する
  • メールでは回答できないと言われた場合は、無理に利用しない
  • 広告画面と返信内容のスクリーンショットを保存しておく
  • 募集中と言われた場合は、内見可能な日時を確認する
  • 来店前に初期費用の概算を依頼する

なお、SNS(TikTokやInstagramなど)で見つけた物件の場合は、LINEやDMでのやりとりが前提になりやすく、また別の注意点があります。SNS経由の物件探しについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

TikTok・インスタの不動産屋は怪しい?SNSで賃貸を探す「罠」と失敗しない見極め方

まとめ

  • LINEでのやりとり自体に問題はなく、複数ある連絡手段のひとつとして活用できる
  • 問題は、問い合わせた物件についてメールで回答せず、LINE登録を事実上の条件にする対応
  • 信頼できる会社は、まずメールで空室状況を回答し、その後の連絡方法を選ばせてくれる
  • 「直前で決まりました」と言われても、必ずしもおとり物件とは断定できない
  • ただし、募集終了を伝える前にLINE登録を求める対応が繰り返される場合は注意が必要
  • LINE登録は断ってよく、メールでの回答を求めても問題ない
  • 対応に違和感があれば、同じ物件を別の不動産会社にも問い合わせて比較するとよい

よくある質問(FAQ)

Q. 不動産会社からLINE登録を求められましたが、断ってもよいですか?
A. 断って問題ありません。LINEを利用したくない場合は、問い合わせ時に入力したメールアドレスへの回答を求める旨を伝えてください。それでもメールでは一切回答できないと繰り返す会社であれば、別の不動産会社への問い合わせも検討してよいと考えます。
Q. LINE登録後に「決まりました」と言われました。おとり物件でしょうか?
A. 必ずしもそうとは限りません。問い合わせ後に本当に申込が入り、募集が終了することもあります。ただし、問い合わせた物件についてメールでは回答せず、LINE登録後に毎回のように募集終了を告げて別物件へ誘導する対応が繰り返される場合は、注意した方がよいでしょう。
Q. なぜ不動産会社はメールではなくLINEに誘導したがるのですか?
A. メッセージを見てもらいやすい、別の物件を継続的に提案しやすい、来店や内見に誘導しやすいといった営業上の理由があります。LINEを案内すること自体は通常の営業活動ですが、問い合わせへの回答と引き換えに登録を求める対応には注意が必要です。
Q. マチラボに問い合わせた場合、いきなりLINE登録を求められますか?
A. いいえ。当社では、まず問い合わせいただいた物件の空室状況や募集条件をメールでご案内し、その後の連絡方法としてメール・電話・LINEからご希望のものを選んでいただいています。LINEでのお問い合わせにも対応していますが、利用を前提とすることはありません。
Q. 同じ物件を別の不動産会社に問い合わせても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。多くの賃貸物件はどの不動産会社からでも取り扱いが可能で、対応を比較する目的で複数社に問い合わせること自体は一般的です。ただし、実際の申し込みは比較したうえで1社に絞るようにしてください。

マチラボのロゴ
執筆者
栗田 伸裕

株式会社マチラボ 代表取締役

1級FP技能士
宅地建物取引士
マンション管理士
賃貸不動産経営管理士

これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。