賃貸の部屋探しは何から始める?物件探しから入居までの流れを不動産会社が解説

部屋探しの流れ

更新日:2026年5月2日

「部屋探しって何から始めればいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。情報サイトで物件を検索するところからスタートするイメージを持つ方も多いですが、実際にはその前に整理しておくべきポイントがあります。

また、内見から契約・入居までにはいくつかの手続きが必要で、それぞれにかかる期間も把握しておかないと、希望の入居日に間に合わないこともあります。

この記事では、部屋探しの全体の流れを9つのステップで解説します。各ステップで何をすればよいか、どこでつまずきやすいかもあわせてお伝えします。

部屋探しから入居までの流れと期間の目安

賃貸物件探しは、一般的に次のような流れで進みます。

ステップ 内容 期間の目安
①予算を決める 月額費用と初期費用の予算を整理する 事前準備
②希望条件を整理する エリア・設備・間取りなどの条件を整理する 事前準備
③物件を検索する 情報サイトで相場感をつかみながら候補を探す 数日〜2週間
④不動産会社へ問い合わせる 信頼できる不動産会社に連絡・相談する 1〜3日
⑤内見をする 実際に物件を見て確認する 1〜数日
⑥入居申込み 申込書を提出して物件を押さえる 当日〜1日
⑦入居審査 保証会社・管理会社による審査 2〜7日程度
⑧契約手続き 重要事項説明・署名・初期費用支払い 数日〜1週間
⑨鍵の引き渡し・入居 契約開始日から入居可能 契約開始日
部屋探しはいつから始めればよいか:入居希望日の1〜2か月前が目安です。人気物件は申込みが早く入るため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。2〜3月の繁忙期は内見予約や審査に時間がかかる場合があるため、さらに早めの行動が必要になります。

① 予算を決める

最初に、月額費用と初期費用の予算を決めます。これが決まらないと、どのエリアに住めるのか、どのような条件の物件を選べるのかが見えてきません。

予算が曖昧なまま物件を探してしまうと、気に入った物件が見つかっても家賃が高すぎて現実的に借りられないということも起こりやすくなります。

月額費用の目安

月額費用の目安としてよく言われるのが、手取り収入の3分の1以内という考え方です。この範囲に収めることで、生活費や貯金とのバランスが取りやすくなります。入居審査でも「家賃が収入に対して適切か」が確認されるため、この基準は実務上も重要な指標になります。

また、毎月の支払いは賃料だけではありません。多くの賃貸物件では賃料のほかに共益費・管理費が設定されており、物件によっては駐車場代・インターネット料金・町内会費なども別途必要です。家賃だけを基準に考えるのではなく、実際に毎月支払う総額(月額費用)で予算を考えることが大切です。

初期費用の目安

初期費用は月額費用の3〜5か月分程度が目安です(仲介手数料が必要な不動産会社を利用する場合)。仲介手数料無料の不動産会社を利用すると2〜4か月分程度に抑えられます。

初期費用には敷金・礼金・前家賃・仲介手数料・保証会社利用料・保険料・鍵交換費用などが含まれます。引越し費用や家具・家電の購入費用も別途かかることを念頭に置いておきましょう。

② 希望条件を整理する

条件が曖昧なまま物件探しを始めると、情報が多すぎて判断が難しくなります。「絶対に必要な条件」と「できれば欲しい条件」に分けておくと、物件探しが格段にスムーズになります。

通勤・通学先への所要時間

毎日の通勤・通学にかかる時間は、生活の満足度に大きく影響します。目安としてドアtoドアで30〜40分以内を希望する方が多い傾向があります。「○○駅まで○分」だけでなく、乗り換えの回数や最寄り駅までの徒歩時間も含めて考えることが大切です。

生活の利便性

スーパー・コンビニ・ドラッグストア・病院・銀行などの施設が近くにあるかどうかも重要なポイントです。特に一人暮らしの場合、スーパーやコンビニの距離で生活の便利さが大きく変わります。駅前は便利でも住宅地側にはお店が少ないケースもあるため、実際の生活動線をイメージすることが重要です。

設備条件

バス・トイレ別、室内洗濯機置き場、独立洗面台、オートロック、宅配ボックス、インターネット無料などが人気の条件です。設備条件を増やしすぎると物件数が大きく減るため、優先順位をつけて絞り込むことが重要です。

広さ・間取り

一人暮らしの場合、20〜30㎡前後の物件が一般的です。ワンルーム・1K・1DKなど間取りによって生活のしやすさが変わります。数字だけで判断せず、ベッドやデスク・冷蔵庫・洗濯機などの家具・家電を置いた場合のレイアウトを具体的にイメージしておくことが大切です。同じ広さでも部屋の形や収納の大きさで使い勝手が大きく変わります。

条件の優先順位を「絶対条件」と「妥協できる条件」に分けておきましょう。希望通りの物件が少ない場合は、築年数・駅徒歩距離・設備のいずれかを緩めることで選択肢が広がりやすくなります。

③ 賃貸情報サイトで物件を検索する

希望条件がある程度整理できたら、情報サイトで実際の物件を検索してみましょう。この段階での目的は、完璧な物件を見つけることではなく、「このエリアでこの家賃だとどの程度の物件に住めるのか」という相場感をつかむことです。

条件に合う物件が少ない場合は、家賃・エリア・広さ・設備などの条件を少し調整する必要があるかもしれません。

おすすめの情報サイト

賃貸物件の情報サイトは数多くありますが、SUUMOとHOMESの2つをチェックすれば十分なことが多いです。SUUMOは掲載物件数が多く、HOMESは室内写真や間取り・設備情報がわかりやすく掲載されている傾向があります。この2つのサイトは多くの物件情報が重複して掲載されているため、現在募集されている物件の大半を把握できます。

おとり物件に注意

情報サイトを利用する際は「おとり物件」の存在に注意が必要です。おとり物件とは、実際には契約できない物件(すでに申込みが入っている、募集が終了しているなど)を掲載して問い合わせを集めるための広告のことです。問い合わせをすると「その物件は決まってしまいましたが、似た物件があります」と別の物件を紹介されることがあります。情報サイトに掲載されている情報は「現在募集中の可能性が高い物件一覧」として捉えておくとよいでしょう。

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④ 不動産会社へ問い合わせる

気になる物件が見つかったら、不動産会社に連絡を取りましょう。情報サイトの問い合わせフォームから連絡するのが最も手軽な方法です。ただし、問い合わせをする前に、その不動産会社がどのような会社なのかを検索して確認しておくことをおすすめします。

賃貸の不動産会社は一見どこも同じように見えますが、実際には会社ごとに特徴や方針が異なります。

  • 特定エリアに強い会社かどうか
  • 仲介手数料の有無・金額
  • 対応の丁寧さや説明のわかりやすさ
  • 初期費用の支払い方法(クレジットカード対応など)

また、同じ物件であっても、どの不動産会社に問い合わせるかによって紹介できる物件数や提案内容が変わることもあります。気になる物件があった場合でも、その物件を掲載している不動産会社だけに問い合わせる必要はありません。信頼できそうな不動産会社を選び、相談しながら物件を探す方法もあります。

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⑤ 内見(内覧)をする

不動産会社に連絡したら、実際に物件の内見を行います。希望物件が決まっていない場合は条件を伝えて提案してもらい、気になる物件があれば内見するという流れになります。すでに内見したい物件が決まっている場合は、その旨を伝えれば手配してもらえます。

多くの不動産会社では、店舗への来店のほか、物件の現地で待ち合わせて内見する方法も可能です。複数の物件を効率よく見たい場合は、現地待ち合わせがおすすめです。

内見時に確認しておきたいポイント

  • 室内の広さと家具・家電のレイアウトがイメージできるか
  • 収納のサイズと使い勝手
  • 日当たり・通風・眺望
  • 水回り(水圧・排水・カビの有無)
  • 騒音(道路・隣室・上階)
  • 周辺環境(スーパー・コンビニの距離、夜間の雰囲気)
  • 1Kの場合、キッチン横の家電置き場の広さ
  • ガスの種類(都市ガスかプロパンか)
内見のタイミングに注意:昼間と夜間では周辺の雰囲気や騒音レベルが大きく異なります。可能であれば複数の時間帯に足を運ぶか、周辺の夜間の様子も確認しておくと安心です。

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⑥ 入居申込み

住みたい物件が見つかったら、入居申込みを行います。内見して気に入っても、その場で物件を確保できるわけではありません。物件を押さえるためには申込書の提出が必要です。

現在は多くの物件でオンライン申込みに対応しており、全体の8割程度はWebから申込みができるケースが増えています。申込みでは氏名・勤務先・年収・入居予定者などの情報を入力し、本人確認書類や収入証明書の提出を求められる場合もあります。

申込みのタイミングは早めに:人気物件では申込みの順番によって入居者が決まります。「少し考えてから決めよう」と思っている間に他の方の申込みが入ってしまうことも珍しくありません。気に入った物件が見つかったら、できるだけ早めに行動することが重要です。また、申込みをした時点ではまだ賃貸借契約は成立していません。審査通過後に契約手続きを行うことで正式に契約が成立します。

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⑦ 入居審査

申込みが完了すると、保証会社・管理会社・貸主による入居審査が行われます。審査では収入状況・勤務先・過去の家賃支払い状況などが確認されます。

審査期間は一般的に2〜3日程度で結果が出るケースが多いですが、物件や状況によっては1週間〜10日程度かかる場合もあります。

審査中は申込んだ物件が他の人に取られることはありませんが、審査に落ちた場合は物件を再度探す必要が出てきます。審査基準を満たしているか(家賃が月収の3分の1程度以内かどうかなど)を事前に確認しておくと安心です。

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⑧ 契約手続き

入居審査に通過すると、契約手続きに進みます。書類の作成には数日から1週間程度かかることがあり、書類の準備が整ってから手続きが進みます。

重要事項説明

契約の前には必ず「重要事項説明」が行われます。これは法律で義務付けられた手続きで、宅地建物取引士から契約内容について説明を受けます。賃料・共益費・契約期間・更新料・退去時の費用負担・禁止事項などが説明されます。不明点があればこの段階でしっかり確認しておくことが大切です。

近年は「IT重説」に対応しているケースも増えており、ビデオ通話などを利用してオンラインで説明を受けることも可能です。

署名・捺印と初期費用の支払い

重要事項説明が終わると、契約書類への署名・捺印を行い、初期費用の支払いへ進みます。支払い方法は銀行振込またはクレジットカードが一般的です(現金払いを受け付けない不動産会社も増えています)。

最近は電子契約に対応している物件も増えており、その場合はスマートフォンやパソコンからオンラインで手続きを行います。

ライフラインの手続き

電気・ガス・水道などのライフラインの手続きも、契約開始日前に進めておきましょう。電気はWebや電話から申込みできるケースがほとんどです。ガスは開栓時に立会いが必要なため、早めに予約しておくことをおすすめします。

⑨ 鍵の引き渡しと入居開始

すべての契約手続きと初期費用の支払いが完了すると、契約開始日から入居が可能になります。一般的には契約開始日に不動産会社または管理会社で鍵の引き渡しが行われます。

入居時には室内の状態を必ず確認し、キズや汚れ・設備の不具合があれば写真を撮って管理会社に連絡しておきましょう。退去時に「入居前からあったキズ」であることを証明するための重要な記録になります。

入居後に必要な手続き

引越し後には次のような手続きも忘れずに行いましょう。

  • 転入届の提出:新住所の市区町村役場に引越し後14日以内に提出が必要
  • 転出届の提出:旧住所の役場に事前に提出(同一市区町村内の引越しは転居届のみ)
  • 運転免許証・保険証などの住所変更
  • 郵便物の転送手続き:郵便局への転居届で旧住所宛の郵便を1年間転送可能
  • 銀行・クレジットカードなどの住所変更

まとめ

賃貸物件探しは、情報サイトで物件を見るところから始めるより、まず予算と希望条件を整理してから進めることで、無駄な時間を省きスムーズに進めることができます。

部屋探しの流れ・まとめ
  • 部屋探しは入居希望日の1〜2か月前から始めるのが目安
  • 最初に月額費用(賃料+共益費など)と初期費用の予算を決める
  • 「絶対条件」と「妥協できる条件」を分けて整理しておく
  • 情報サイトはまず相場感をつかむために使う。SUUMOとHOMESで十分
  • 問い合わせ先の不動産会社選びも、物件選びと同じくらい重要
  • 内見ではガスの種類・騒音・水回り・家電置き場まで確認する
  • 気に入った物件は早めに申込む。申込みだけでは契約は成立しない
  • 審査通過後に重要事項説明を受け、署名・初期費用支払い→鍵の引き渡し
  • 入居直後に室内の傷・汚れを記録し、管理会社に報告しておく
  • 入居後は転入届・ライフライン・各種住所変更の手続きも忘れずに

部屋探しで分からないことがある場合は、不動産会社に相談することで条件に合う物件の提案や契約の流れについても詳しく説明してもらえます。初めての部屋探しでも、流れを理解して準備をしておけば安心して進めることができます。

栗田伸裕のプロフィール写真
執筆者
栗田 伸裕

株式会社マチラボ 代表取締役

1級FP技能士
宅地建物取引士
マンション管理士
賃貸不動産経営管理士

これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。