お部屋を探しているお客様から、「お風呂には追い焚きが欲しい」というご希望をいただくことは珍しくありません。
冷めたお湯を温め直せるので便利ですが、単身向けの物件では追い焚きなしも珍しくありません。
また、浴室に自動でお湯を止める機能が付いていても、それが追い焚きとは限りません。
名古屋で物件をご案内していても、1Kやワンルームでは追い焚きなしの物件をよく見かけます。一方、単身向けでも追い焚き付きはあり、特にLPガスの物件では比較的よく見ます。
追い焚きを必須条件にすると、候補はかなり絞られます。まずは自分の生活で本当に使う設備なのかを考えてみましょう。

追い焚きとオートストップは別の機能
追い焚きとは、浴槽にためたお湯を再び温める機能です。
入浴まで時間が空いてお湯が冷めたときや、長く湯船につかっていて温度が下がったときに使います。
一方、オートストップ機能は、設定した量のお湯を出すと自動で給湯を止める機能です。「定量止水」と呼ばれることもあります。
浴槽からお湯があふれるのを防げますが、冷めたお湯を温め直す機能ではありません。
そのため、浴室に給湯器のリモコンが付いていたり、自動で湯はりが止まったりしても、追い焚きができるとは限りません。
募集情報に「オートバス」と書かれている場合も、追い焚きの有無は別に確認した方が確実です。
単身向け物件では追い焚きなしも多い
単身向け物件では、一人で使うことを前提に設備が選ばれているため、追い焚きなしの部屋も多くあります。
一人暮らしで、湯はりをしてすぐ入浴するなら、お湯が大きく冷める前に入浴を終えられます。ファミリー世帯ほど追い焚きの必要性は高くありません。
私が名古屋でご案内している1Kやワンルームでも、追い焚きなしの物件はかなりあります。
これは当社で取り扱ってきた物件を見た上での実感で、名古屋市全体を調査した統計ではありません。
もちろん、追い焚きがないから設備が悪いわけでもありません。
賃料、立地、築年数、間取りなどを含めて考えれば、追い焚きより優先したい条件が出てくる人も多いはずです。
単身でも追い焚きがあると便利な人
一人暮らしでも、次のような人には追い焚きが向いています。
- 湯船につかる時間が長い
- 冬も頻繁に湯船に入る
- 湯はりをしてから入浴まで時間が空く
- お湯が冷めるのが気になる
- 同居人や家族と入浴時間が違う
反対に、普段はシャワー中心だったり、湯はり後すぐに入浴したりするなら、追い焚きをほとんど使わない人もいます。
「付いていた方が良さそう」ではなく、「実際に何回使うか」で考えた方が判断しやすくなります。
LPガスの単身向け物件で追い焚きを見かける理由
名古屋で単身向け物件を見ていると、LPガスの物件では追い焚き付きの部屋を比較的よく見かけます。
その背景には、以前のLPガス業界で広く行われていた「無償貸与」という仕組みがあります。
LPガス会社が建物のガス供給契約を取るために、給湯器やガスコンロなどをオーナー側の負担なし、または少ない負担で設置し、その費用を入居者が支払うガス料金から回収するという仕組みです。
この仕組みでは、オーナーが給湯器の費用を全額負担する必要がないため、追い焚き付き給湯器など、機能の多い設備も導入しやすくなります。
LPガス会社にとっても、その建物でガスを使ってもらうほど売上が増えます。追い焚きはガスを使う設備なので、こうしたLPガスの仕組みとは相性が良かったといえます。
ただし、すべてのLPガス物件が「ガスを多く使わせるために追い焚きを付けた」という話ではありません。実際の設備選定は、オーナーや建築会社、管理会社、ガス会社によって異なります。
なお、この無償貸与を前提とした商慣行は問題視され、LPガス料金のルールは見直されています。
2025年4月2日以降に締結されるLPガス販売契約では、LPガス料金を「基本料金・従量料金・設備料金」に分けて表示する三部料金制が適用されます。また、新たな賃貸住宅向けLPガス販売契約では、給湯器などのガス消費設備の費用をLPガス料金に計上することも禁止されています。施行前からの契約には経過措置があるため、料金の内訳は物件ごとに確認しましょう。詳しくは経済産業省「LPガス料金の表示・計上方法に関する新しいルール」をご確認ください。
そのため、以前からあるLPガス物件と、これから建てられる物件では、設備導入の仕組みも少しずつ変わっていきます。
LPガスで追い焚きを使うとガス代も上がる
追い焚きを使えば、その分だけガスを消費します。
特にLPガスは、都市ガスより料金が高い物件も多く、ガス会社や物件によって料金差もあります。
冬に毎日のように追い焚きをしたり、自動保温を長時間使ったりすれば、当然ガス代は上がります。
そのため、LPガス物件で追い焚きを希望するなら、設備の有無だけを見るのではなく、次の点まで確認しておきたいところです。
- 基本料金
- 従量料金
- 追い焚きを使う頻度
「追い焚き付きだから便利」だけで選ぶと、入居後にガス代の高さが気になることもあります。
特に一人暮らしなら、毎日追い焚きをするのか、普段はシャワーで済ませるのかで、設備の必要性はかなり変わります。
プロパンガスの仕組みや物件選びの注意点については、「意外に多いプロパンガスの賃貸物件」でも紹介しています。
追い焚きを必須にすると物件の選択肢は減る
単身向けの部屋探しでは、追い焚きを必須条件にすると候補はかなり減ります。
特に、普段はシャワーが中心、湯船に入るのは週に数回、湯はりをしたらすぐ入浴するという人なら、追い焚きは必須ではないかもしれません。
追い焚きを「必須」から「付いていたらうれしい」に変えるだけで、立地や賃料、築年数など、ほかの条件が良い物件も候補に入ってきます。
部屋探しでは、すべての希望を満たそうとすると選択肢が一気に減ります。「絶対に必要な条件」と「できれば欲しい条件」を分けるだけでも、かなり探しやすくなります。設備条件の絞り込み方については、「情報サイトでの条件の絞り込み過ぎに要注意」も参考にしてください。
一人暮らしの物件探しについては、「名古屋で一人暮らしの部屋探し」も参考にしてください。
内見時に確認したいポイント
追い焚きを希望するなら、物件情報だけで判断せず、内見時や問い合わせ時に次の点を確認してください。
- 検討している号室に追い焚きが付いているか
- 自動湯はりに対応しているか
- 自動保温に対応しているか
- 浴槽に循環口があるか
- 給湯器のリモコンに追い焚きボタンがあるか
- LPガスなら基本料金や従量料金はいくらか
- 掲載されている浴室写真が実際の号室のものか
特に注意したいのが募集写真です。
賃貸では、同じ建物の別の部屋の写真を参考写真として掲載していることがあります。
同じマンションでも、号室やリフォーム時期によって設備が違うことは珍しくありません。
写真だけで判断せず、分からなければ不動産会社に「この号室は追い焚きできますか」と確認するのが一番確実です。
追い焚きが本当に必要か、生活スタイルから考える
追い焚きは便利ですが、一人暮らしなら必須とは限りません。
普段どれくらい湯船につかるのか。湯はりをしてからすぐ入るのか。ガス代はいくらなのか。
このあたりを考えると、自分に本当に必要な設備なのかは見えてきます。
追い焚きをよく使う人なら、追い焚き付き物件を選ぶ意味はあります。
一方、ほとんどシャワーしか使わない人や、湯はり後すぐに入浴する人なら、追い焚きを外した方が物件の選択肢は増えます。
特にLPガス物件では、追い焚きを使えばその分ガス代も上がります。
「付いている設備が多い物件」ではなく、「自分が実際に使う設備がそろっている物件」を選ぶ方が、無駄のない部屋探しになります。
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