賃貸の連帯保証人は必要?不要なケース・必要になるケースを解説

最終更新日:2026年05月10日

「賃貸を借りるには連帯保証人が必要?」と心配している方も多いですが、現在はほとんどの物件で連帯保証人は不要です。当社マチラボが仲介する物件でも、約90%のケースで連帯保証人なしで契約が成立しています。

ただし、審査の状況によっては管理会社や貸主から連帯保証人を求められることもあります。この記事では、連帯保証人が必要なケース・不要なケース、緊急連絡先との違い、2020年の民法改正との関係まで、賃貸仲介の実務の視点からわかりやすく解説します。

連帯保証人イメージ画像

現在の賃貸では連帯保証人はほとんど不要

かつての賃貸契約では、連帯保証人を立てることが当たり前でした。しかし現在は約95%の物件で保証会社の利用が必須となっており、保証会社が連帯保証人の代わりに家賃の支払いを保証する仕組みが標準化しています。その結果、個人の連帯保証人を別途用意する必要がある物件は大幅に減っています。

マチラボの仲介実績における連帯保証人の必要割合
不要 約90%
必要
約10%

※物件・審査状況によって異なります

保証会社の普及にともない、多くの管理会社やオーナーは「保証会社への加入」を入居条件としており、個人の連帯保証人を求めないケースがほとんどです。ただし、審査の結果次第では、管理会社や貸主側から連帯保証人を追加で求められることがあります。

賃貸保証会社とは?加入が必要な理由・仕組み・連帯保証人との違いを解説

連帯保証人が必要になるのはどんなケース?

保証会社の審査が通っても、管理会社や貸主から「念のため連帯保証人もお願いしたい」と言われることがあります。主に、収入の安定性や継続性に不安があると判断された場合です。

連帯保証人が求められやすいケース
🏫
学生
収入がなく、親が連帯保証人になるよう求められることが多い
💼
転職・就職直後
収入の継続性が証明できないため求められやすい
🕐
パート・アルバイト
収入が不安定・低収入と判断されると求められる場合がある
🚫
無職・求職中
収入がない状態での申し込みは連帯保証人が必要なことが多い

いずれも管理会社・貸主の判断によるため、同じ属性でも求められないケースもあります

保証会社に加入しているのに連帯保証人が必要?その理由

「保証会社に入れば十分では?」と思う方は多いですが、保証会社への加入と連帯保証人の要否は、それぞれ別の話です。求める側によって、その目的も異なります。

保証会社からの要望

審査がボーダーラインの場合に、滞納リスクへの追加担保として連帯保証人を求めることがある。この場合、保証人本人に一定の収入があることを条件とするのが一般的。

管理会社・貸主からの要望

金銭的な保証というより、「入居者の身元を確かめたい」「問題が起きたときに動いてくれる身近な人がいるか」を確認する意味合いが強い。本人だけでは判断しにくい人となりや生活態度を、身元を引き受ける人の存在で補う目的がある。

連帯保証人を求めるのは、主に管理会社や貸主(オーナー)です。保証会社の審査が問題なく通っていても、物件側の方針や申込者の属性によって「追加で連帯保証人も立ててほしい」という要望が出ることがあります。また、保証会社自身が連帯保証人を求めるケースもあります。たとえば、審査結果がボーダーラインに近い場合に、連帯保証人をつけることを条件に審査を通すという判断が行われることがあります。その場合、保証会社は連帯保証人に一定の収入があることを求めるのが一般的です。

連帯保証人が不要でも「緊急連絡先」は必要

「連帯保証人は不要」と言われた物件でも、緊急連絡先として親族の連絡先を求められるのが一般的です。この2つは似ているようで、法的な意味がまったく異なります。

緊急連絡先と連帯保証人の違い
緊急連絡先 連帯保証人
主な役割 本人への連絡が取れないときの
窓口・安否確認
借主が支払えない場合に
代わりに支払い義務を負う
法的な支払義務 なし あり
家賃滞納時の対応 原則として連絡なし・支払い不要 督促・支払い請求の対象となる
年齢制限 70歳・75歳以下を指定されるケースあり 明確な規定はないが審査あり
印鑑証明書 不要 必要
対象者 親族(一般的に配偶者・親・兄弟) 親族・知人(審査あり)

緊急連絡先は、入居者が病気や事故などで連絡が取れなくなった場合に備えた連絡窓口であり、家賃の滞納が発生しても、緊急連絡先の方に支払い義務は生じません。また、督促の電話がかかってくることも原則ありません。

注意

管理会社によっては、緊急連絡先として登録する親族に対して「70歳以下」「75歳以下」などの年齢条件を設けているケースがあります。登録できる親族が限られる場合もあるため、事前に不動産会社に確認しておきましょう。

2020年の民法改正で連帯保証はどう変わった?

連帯保証人に関する法律は、2020年4月の民法改正によって大きく変わりました。改正前は、連帯保証人の責任範囲に上限がなく、家賃滞納・原状回復費・明け渡し訴訟費用など借主のすべての債務を無制限に背負わされる可能性がありました。この「過酷な連帯保証の仕組み」が保証会社普及の一因ともなっていました。

民法改正による連帯保証の変化
改正前
〜2020年3月
  • 連帯保証人の責任に上限なし
  • 家賃滞納・損害賠償・明渡費用など一切の債務を負担
  • 長期滞納が続くと数百万円規模の請求も
改正後
2020年4月〜
  • 連帯保証契約に極度額(上限額)の明記が義務化
  • 極度額の定めがない保証契約は無効
  • 保証人の責任が極度額の範囲内に限定される
  • 相場は家賃の12〜24か月分が目安

この改正により、個人の連帯保証人のリスクは以前より明確に制限されるようになりました。一方で、「極度額を明記しない連帯保証契約は無効」となったため、管理会社・貸主側は契約書に金額を明示する必要があります。なお、2020年4月以降に新たに締結した契約が対象となり、それ以前の契約は旧法のルールが基本的に継続します。

ポイント

2020年4月以降に個人の連帯保証人を立てる場合、契約書に極度額(例:「家賃の24か月分に相当する〇〇万円」など)を明記することが法律上の義務です。極度額の記載がない保証契約は無効となるため、契約書の確認が重要です。

保証会社と連帯保証人の関係——初回保証料が安くなるケースも

多くの物件では保証会社への加入が必須ですが、保証会社のプランによっては連帯保証人を立てることで初回の保証料が安くなるケースがあります。

保証会社プランの例(月額家賃7万円の場合)
連帯保証人なしプラン
初回保証料
35,000円(家賃の50%)
vs
連帯保証人ありプラン
初回保証料
21,000円(家賃の30%)

※保証会社・プランによって異なります。上記はあくまで例示です

初期費用を少しでも抑えたい場合は、連帯保証人を立てられるかどうかを検討する価値があります。ただし連帯保証人を引き受けてもらうには相手の理解・同意が必要なうえ、後述のとおり印鑑登録証明書の提出なども求められるため、相手への負担を十分に考慮したうえでお願いしましょう。

連帯保証人になると何が必要?準備するもの

連帯保証人を立てる場合、保証人本人にも書類の準備が必要になります。単に「名前を書いてもらう」だけではなく、法的な手続きとして正式な書類の提出が求められます。

連帯保証人が準備する主な書類
01
印鑑登録証明書
最も重要な書類。保証意思を公的に証明するために必須。市区町村の窓口またはコンビニで取得可能(マイナンバーカード利用)
02
収入証明書類
源泉徴収票・給与明細・確定申告書など。保証人自身に支払い能力があるかを確認するために提出を求めることがある
03
身分証明書のコピー
運転免許証・マイナンバーカードなど顔写真付きのもの
04
連帯保証人承諾書(物件によって)
管理会社所定の書式に署名・実印押印が必要なケースがある
注意

印鑑登録証明書は発行日から3か月以内のものが有効とされることが多いため、契約のタイミングに合わせて取得するようにしましょう。遠方に住む親族に頼む場合は、余裕をもって早めに依頼することをおすすめします。

連帯保証人を頼む相手がいない場合はどうする?

親族との関係が薄い、一人っ子で頼める人がいないなど、連帯保証人を立てたくても立てられない事情は様々あります。そのような場合も、以下の方法で対応できるケースがあります。

  • 保証会社加入のみで入居できる物件を選ぶ:現在はほとんどの物件がこれに該当します
  • 保証会社から連帯保証人を求められる場合がある:審査がボーダーラインの場合、保証会社から条件として提示されることがあります。その場合は立てられる親族がいるかどうかを確認しましょう
  • 管理会社・貸主に事情を伝えて相談する:事情によっては柔軟に対応してもらえるケースもあります

「連帯保証人がいないと賃貸は借りられない」という時代は過去のものです。保証会社の仕組みを活用することで、一人でも十分に契約できる物件がほとんどです。

まとめ

  • 現在の賃貸では約95%の物件で保証会社の利用が必須となっており、連帯保証人はほとんどの物件で不要
  • 当社の仲介においても約90%のケースで連帯保証人なしで契約が成立している
  • 無職・パートアルバイト・学生・転職直後などのケースでは、管理会社や貸主から連帯保証人を求められることがある
  • 連帯保証人が不要な物件でも、緊急連絡先として親族の連絡先は必要。緊急連絡先には支払い義務はない
  • 2020年4月の民法改正により、連帯保証契約には極度額(上限額)の明記が義務化された
  • 保証会社のプランによっては、連帯保証人を立てることで初回保証料が安くなるケースがある
  • 連帯保証人を立てる場合は、印鑑登録証明書の提出など正式な書類の準備が必要

よくある質問

Q. 親に連帯保証人を頼むのが申し訳ない。断れますか?
A. 連帯保証人が必要かどうかは物件によります。保証会社のみで入居できる物件がほとんどですので、連帯保証人が不要な物件を選ぶことで親に負担をかけずに済みます。不動産会社に「連帯保証人不要の物件を探してほしい」と伝えて探すとよいでしょう。
Q. 緊急連絡先に家賃の督促が来ることはありますか?
A. 原則ありません。緊急連絡先は、本人への連絡が取れないときや安否確認が必要なときのための窓口であり、家賃滞納があっても支払い義務はなく、督促の連絡が行くものでもありません。連帯保証人とは法的な立場が全く異なります。
Q. 連帯保証人になった場合、どのくらいの責任を負いますか?
A. 2020年4月の民法改正以降、連帯保証人の責任は契約書に記載された「極度額」の範囲内に限定されます。家賃の12〜24か月分相当を極度額として設定するケースが多く、それを超える請求は受けません。極度額が記載されていない保証契約は無効です。
Q. 学生でも連帯保証人なしで部屋を借りられますか?
A. 借りられる場合もありますが、学生の場合は親が連帯保証人になることを求める管理会社・オーナーが一定数います。また、保証会社の審査で親の収入を確認するケースもあります。事前に「連帯保証人の要否」を不動産会社に確認したうえで物件を探すのがスムーズです。
Q. 連帯保証人は途中で変更できますか?
A. できる場合があります。ただし、変更するには貸主・管理会社の承諾が必要で、新たな連帯保証人候補の審査も行われます。連帯保証人が亡くなったり引き受けられなくなった場合は速やかに管理会社に相談しましょう。

栗田伸裕のプロフィール写真
執筆者
栗田 伸裕

株式会社マチラボ 代表取締役

1級FP技能士
宅地建物取引士
マンション管理士
賃貸不動産経営管理士

これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。