同じマンションで同じ間取りなのに条件が違うのはなぜ?家賃・初期費用の違いを解説

同じマンションで、間取りや広さもほとんど同じなのに、家賃や初期費用が違うことがあります。「どちらかの部屋に何か問題があるのでは?」と気になる方もいるでしょう。条件の差には、階数や日当たりといった部屋ごとの違いのほか、貸主や管理会社、募集期間など複数の理由があります。安い部屋を見つけたときは、金額だけで決めず、理由を確認して現地を内見することが大切です。

同じマンションの異なる部屋や機械式駐車場を、不動産スタッフが案内しているイラスト

同じマンションでも、上の階ほど家賃が高いことがある

一般的には、同じ建物の中では上の階ほど家賃が高く設定される傾向があります。眺望や日当たり、道路からの視線、外の音の感じ方などに差が出るためです。ただし、すべてのマンションに当てはまるわけではありません。建物の向きや周辺環境、窓の位置によって、低層階の方が明るい、あるいは上階でも隣の建物が近いといったことがあります。

角部屋か中部屋か、バルコニーの向き、窓の数、共用廊下やエレベーターとの位置関係も、住み心地や募集条件に影響することがあります。家賃の決まり方については、賃貸物件の家賃が決まる仕組みも参考にしてください。

貸主や管理会社が違う「分譲賃貸」のケース

分譲マンションの一室を賃貸に出す「分譲賃貸」では、部屋ごとに所有者(貸主)が異なることがあります。同じ建物・同じ間取りでも、貸主が違えば、家賃や礼金、契約条件などの決め方もそれぞれです。

さらに、募集や管理を担当する会社が部屋ごとに異なる場合は、契約時に必要な管理サポート費、保証会社の初回費用・更新費用などの付随費用にも違いが出ることがあります。家賃だけで比べず、初期費用の明細を並べて、どの項目が異なるのかを見ると比較しやすくなります。分譲賃貸の特徴は、分譲賃貸とは?一般的な賃貸との違いで詳しく解説しています。

同じ管理会社でも、募集条件を変えることがある

一棟を同じ管理会社が管理していても、部屋ごとの募集条件が同じとは限りません。たとえば、空室期間が長くなった部屋の家賃を見直したり、早く入居者を決めるために礼金などの条件を調整したりすることがあります。募集の時期や周辺の空室状況によっても、条件は変わります。

室内のリフォームや設備交換の範囲が異なる場合もあります。床や壁紙を新しくした部屋と、必要な箇所だけ補修した部屋では、見た目や設備の状態に違いがあり、それが募集条件に反映されることがあります。募集図面だけでは分からないことも多いため、室内の状態を実際に確かめましょう。

日当たり・音・周辺環境も部屋ごとに違う

間取り図が同じでも、窓の外に何があるか、日差しが入る時間帯、道路や設備からの音は部屋ごとに異なります。隣接する建物との距離、飲食店や駐車場との位置関係など、図面や写真だけでは把握しにくい環境もあります。

弊社で比較的安いお部屋をご案内した際、隣の飲食店の排気口が近いケースがありました。また、機械式駐車場のすぐ前にあるお部屋では、駐車設備の動作音が室内まで聞こえるケースもありました。どちらも、家賃や間取り図だけでは気づきにくく、現地で周囲を確認することが大切だと感じた事例です。

事故に関する告知

募集情報に「告知事項あり」と表示されている場合は、契約の判断に関わる情報について、申込前に不動産会社へ内容を確認しましょう。告知の要否や範囲は事案の内容などによって異なります。表示の有無だけで一律に判断せず、気になる点を具体的に尋ねることが大切です。

人の死に関する告知の取扱いについては、国土交通省が宅地建物取引業者向けの告知に関するガイドラインを公表しています。個別の物件について不明点があれば、募集元や管理会社に確認してください。

安い部屋を見つけたら、理由を聞いて内見する

同じマンション内で家賃に差があるとき、安い方が必ず問題のある部屋とは限りません。貸主の募集方針や空室期間、リフォーム状況など、合理的な理由で条件が異なることもあります。一方で、音やにおい、日当たりなど、住み始めてから気づきやすい要素が関係している場合もあります。

気になる部屋が他より安い場合は、不動産会社に「条件が違う理由はありますか」と聞いてみるのがおすすめです。そのうえで、可能なら昼と夕方など時間帯を変えて現地を見たり、窓を閉めた状態でも音を確かめたりしましょう。内見時の確認ポイントは、賃貸物件の内見チェックポイントもご覧ください。

家賃だけでなく、初期費用、毎月の付随費用、室内や周辺環境を合わせて比べると、自分に合った部屋を選びやすくなります。気になる条件差があれば、申込前に確認して納得してから決めましょう。

栗田伸裕のプロフィール写真
執筆者
栗田 伸裕

株式会社マチラボ 代表取締役

1級FP技能士
宅地建物取引士
マンション管理士
賃貸不動産経営管理士

これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。