「引越し当日に冷蔵庫が入らなかった」「洗濯機のホースが届かなかった」――こうした失敗は、内見時にサイズを確認しておけばほぼ防げます。
この記事では、賃貸の内見で採寸しておくべき場所を、理由と一緒にわかりやすく解説します。内見前の準備から、測り方のコツ、不動産会社への確認事項まで、実際に1,000件以上の内見に立ち会ってきた経験をもとにまとめました。

最終更新日:2026年05月14日
内見時に採寸するのがベストな理由
採寸は「引越し後でもできる」と思われがちですが、賃貸物件の場合は内見のタイミングが最大のチャンスです。入居後は家具を置いた状態になるため、冷蔵庫置き場や洗濯機パンの正確なサイズを測り直すのが難しくなります。また、複数の候補物件を比較するうえでも、内見時に数字を記録しておくと判断がしやすくなります。
「図面に寸法が書いてあるのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、仲介会社も管理会社も各部屋の詳細な寸法が入った図面を持っていないことがほとんどです。仮に図面があったとしても、建築図面上のサイズは壁の中心から中心(壁芯)で計算されているため、実際に使える内法(うちのり)寸法とは数cm〜10cm以上ズレることがあります。「図面で確認したから大丈夫」と思っていたら家具が入らなかった、というトラブルは珍しくありません。実際に測ることがどうしても必要です。
賃貸の内見を成功させるコツ|チェックポイントと当日の流れを解説
内見前に今使っている家具・家電の寸法(幅・奥行き・高さ)を測ってメモしておきましょう。新居のサイズと照らし合わせることで、その場で「入るかどうか」を即座に判断できます。
採寸すべき場所と測り方のポイント
① カーテンレール・窓まわり
カーテンを購入するとき、レールの長さをそのままサイズの基準にしてしまうと丈が足りなくなります。カーテン幅はレール幅より10〜15%大きめのサイズを選ぶのが基本です。たとえばレール幅が180cmなら、カーテンは200cm前後が目安になります。
測るべき箇所は次の3点です。
- レールの幅(両端のランナーの内側)
- カーテンレールの高さから床までの距離(丈)
- 窓台(出窓の場合は台の高さも)
同じ部屋でも窓ごとにサイズが異なることがあります。リビングと寝室、それぞれ別に測っておきましょう。
② 冷蔵庫置き場
冷蔵庫置き場は、冷蔵庫本体のサイズよりも数cm以上の余裕があるかどうかを確認します。冷蔵庫はコンプレッサーが熱を出すため、側面・天面・背面に廃熱スペースが必要です。メーカーの設置基準では、側面に各2〜5cm、天面に10cm以上の空きが推奨されているケースが多く、余裕のないスペースに詰め込むと電気代が上がったり、故障の原因になったりします。
測るべき箇所は次の通りです。
- スペースの幅・奥行き・高さ(上の収納がある場合は特に高さを要確認)
- 上に吊り戸棚や収納がある場合、その高さも記録する
今後大型冷蔵庫への買い替えを検討している場合は、現在使っているものよりひと回り大きいサイズでも入るかどうかも確認しておくと安心です。
③ 洗濯機置き場(洗濯パン)
洗濯機置き場には「洗濯パン」と呼ばれる防水のトレーが設置されています。洗濯機本体のサイズは洗濯パンの内寸に収まる必要があり、本体サイズ=パンサイズではないため注意が必要です。
測るべき箇所は次の通りです。
- 洗濯パンの内寸(幅・奥行き)
- 水道の蛇口の高さ(洗濯機のホース接続口より高い位置にあるかを確認)
- 扉や壁との距離(前面に十分なスペースがあるか)
特にドラム式洗濯機は縦型に比べて奥行きが大きく、扉が手前に大きく開くため、洗濯機の前面に70〜80cmほどの作業スペースが確保できるかどうかも確認してください。
蛇口の位置が低すぎると、洗濯機の給水ホースと干渉して設置できないことがあります。蛇口の高さは洗濯機本体の高さより上にあるのが基本です。内見時に高さを測って記録しておきましょう。
④ 通路幅・ドア幅
大型家具や家電を搬入する際、玄関ドアや廊下の幅が搬入の障害になることがあります。最も狭い箇所で測るのが鉄則で、玄関ドアの開口幅・廊下の最狭部・各部屋のドア開口幅をそれぞれ計測しておきましょう。
- 玄関ドアの開口幅(ドア枠の内側)
- 廊下の最狭部の幅
- 各居室・収納扉の開口幅と高さ
一般的な賃貸住宅の玄関ドア開口幅は75〜80cm前後です。冷蔵庫やソファなど奥行きのある家具は、横向きにしてもドアを通せるか確認しておく必要があります。
⑤ 各居室の広さとコンセント位置
部屋の広さは間取り図に記載されていますが、実際の形状(出っ張りや柱の影響)によって使えるスペースが異なります。家具のレイアウトを事前にイメージしながら、実寸を確認しましょう。
採寸と同時に確認しておきたいのが以下のポイントです。
- コンセントの位置と数:家具を置くと隠れてしまうコンセントがないか確認する
- テレビのアンテナ端子の位置:テレビを置きたい場所の近くにあるかどうか
- エアコンのコンセントと室外機置き場:エアコン未設置の場合は特に確認が必要
⑥ 収納スペースの内寸
クローゼットや押し入れは、間口の広さだけでなく内部の奥行きと天井高も測っておきましょう。今使っているタンスや衣装ケースが収まるかどうか、ハンガーポールの位置から服の丈が収まるかどうかも確認します。
- 扉開口部の幅・高さ
- 内部の奥行き・天井高
- 棚板の位置と間隔(固定棚の場合)
メジャーがないけど大丈夫?
内見にはメジャー(巻き尺)を持参するのがよいでしょう。不動産会社の担当者がメジャーを持っていることも多いですが、担当者任せにすると測り忘れが生じやすいため、自分でも1本持っておくと安心です。5m以上測れるタイプが使いやすく、100円ショップで売っているものでもOKです。
一方、きちんとした対応をしている不動産会社の担当者はレーザー距離計を携帯していることがあります。レーザー距離計は壁に当てるだけで瞬時に距離が測れるため、部屋の縦横や天井高も短時間で正確に計測できます。当社でも内見時はレーザー距離計を使用しており、採寸時間を大幅に短縮しながら正確な数値をお伝えしています。
スマートフォンのカメラで測定値をその場で撮影しておくと、後から見返したときに便利です。数値だけでなく「どこの寸法か」が分かるよう、測定箇所が写り込んだ状態で撮影しておきましょう。
内見当日に測れなかった場合の対処法
内見は時間が限られており、「見るだけで精一杯だった」というケースも少なくありません。測り忘れた箇所がある場合は、不動産会社に依頼して後日採寸してもらうという方法があります。
ただし、対応してくれる会社とそうでない会社があります。管理会社への鍵の手配が必要なケースもあり、すべての会社がすぐに動いてくれるわけではありません。
当社では、内見後の採寸を無料で承っています。ご入居前に気になるサイズを確認したい場合はお気軽にご相談ください。
まとめ:内見採寸のチェックリスト
- カーテンはレール幅より10〜15%大きめのサイズを購入する前提で測る
- 冷蔵庫置き場は廃熱スペースを考慮し、余裕のある内寸かどうかを確認する
- 洗濯機パンは内寸と蛇口の高さの両方を測り、ドラム式は前面スペースも確認する
- 通路・ドア幅は最狭部を測り、大型家具が搬入できるかチェックする
- 部屋はコンセントの位置・テレビ端子の場所も合わせて確認する
- 収納は開口部だけでなく、奥行きと内部の天井高も測る
- メジャーは必ず持参し、測定値はその場でスマホ撮影しておく
- 当日測れなかった場合は不動産会社に依頼する(マチラボは無料で対応)
