内見は一人でも可能?セルフ内見の実態とできない理由を解説

「内見は一人でできますか?」というご質問をよくいただきます。結論から言うと、現在の賃貸市場ではセルフ内見ができる物件はほとんどありません。コロナ禍で一時的に普及しましたが、現在は大幅に縮小しています。本記事では、セルフ内見ができない理由・リスク・不動産会社から勧められたときの判断基準まで、実務の観点からわかりやすく解説します。

内見を一人でするイメージ セルフ内見

内見は一人でできる?セルフ内見の現状

結論から申し上げると、現在の賃貸物件ではセルフ内見ができるケースはほとんどありません。

スマートロックなどを導入した一部の物件では例外的に対応している場合もありますが、管理上・防犯上のリスクから、大多数の物件では認められていないのが実情です。

インターネット上には「セルフ内見が増えている」「主流になりつつある」といった情報も見られますが、これらはコロナ禍当時の状況をもとにした古い情報であるケースが多く、現在の実態とは大きく乖離しています。

ポイント

マチラボでご紹介している物件についても、現時点でセルフ内見に対応している物件は取り扱いがありません。「基本的にはできないもの」として考えておくのが現実的です。

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セルフ内見の歴史と現在の対応状況

セルフ内見は、コロナ禍における非対面ニーズを背景に2020年前後から急速に普及しました。当時は専用サービスやサイトも登場し、対応物件が一定数存在していました。

しかし現在は状況が変わり、対応物件は大幅に減少しています。セルフ内見が現在も利用できるのは、以下の条件が重なる例外的なケースに限られます。

コロナ禍(2020〜2022年頃) 現在(2025〜2026年)
対応物件数 一時的に増加 大幅に減少・例外的
主な導入理由 非対面・接触機会の低減 スマートロック等の設備対応
現在の基本方針 ほとんどの物件で不可

現在もセルフ内見に対応しているのは、主に以下のような物件に限られます。

  • 大手管理会社が一括管理し、入退室管理システムを導入している物件
  • スマートロックや電子キーを採用している物件
  • 事前に本人確認・情報登録が行われる専用セルフ内見システムを採用した物件

なぜセルフ内見ができないのか|2つのリスク

セルフ内見は、不動産会社・管理会社・貸主にとって大きなリスクをともないます。主に「設備上のリスク」と「防犯上のリスク」の2つに整理できます。

設備上のリスク
室内の状態悪化・修繕費用の発生
  • 窓を開けたまま退室→雨風の侵入
  • 設備の無断使用(トイレ・通水等)
  • 土足で入室し床を傷つける
  • 室内での喫煙→においやヤニの残留
  • 設備・内装の破損
  • 案内用鍵の紛失
リスク
防犯上のリスク
入居者の安全・プライバシーに直結
  • 第三者が建物内に侵入できる
  • 内見後にそのまま室内に滞在される
  • 空室が不正利用(仮眠・待機場所)
  • 盗聴器・小型カメラの設置
  • 次の入居者のプライバシー侵害
  • トラブル時の責任の所在が不明確
注意

特に深刻なのが盗聴・盗撮のリスクです。立ち会いがない状態で自由に出入りできる環境では、小型カメラや盗聴器を設置される可能性を完全には排除できません。次に入居する方の安全やプライバシーに直結する問題であるため、多くの管理会社・貸主がセルフ内見を禁止としています。

また、誰が原因でトラブルが発生したかを特定しにくい点も管理会社・貸主にとって大きな問題です。修繕費用の請求先が不明確になるケースも多く、これがセルフ内見が普及しにくい根本的な理由の一つとなっています。

不動産会社からセルフ内見を勧められたら

希望していないにもかかわらず不動産会社からセルフ内見を勧められた場合、主に2つのパターンが考えられます。それぞれの違いを正しく見極めることが重要です。

パターン 内容 判断の目安
① 正式対応 物件がスマートロック等を導入し、セルフ内見を正式に採用している 本人確認・入退室管理が整備されているか確認
② 不動産会社の都合 人手不足・業務効率の都合で、本来立ち会うべき内見を省略している(業界用語で「飛ばし」) 管理会社・貸主から禁止されている行為。この会社の利用は避けるべき

「飛ばし」に注意

昔から一部の不動産会社では「鍵だけ渡して自由に見てきてほしい」という案内をするケースがありました。業界では「飛ばし」と呼ばれるこの行為は、管理会社・貸主から禁止されています。入室管理ができず防犯・設備上のリスクが高まるうえ、トラブル発生時の責任の所在も不明確になるためです。

注意

希望していないにもかかわらずセルフ内見を前提に案内する不動産会社は、管理体制やコンプライアンスの面で問題がある可能性があります。また、物件側がセルフ内見を正式採用していても、それを前提に案内してくる場合は管理方針に疑問が残ります。いずれも物件・会社選びの段階で慎重に判断しましょう。

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セルフ内見の代わりに「現地待ち合わせ」という選択肢

「不動産会社への来店が難しい」「効率よく内見したい」という方には、現地待ち合わせでの内見がおすすめです。セルフ内見ではなく、スタッフが物件の前で直接お待ちする方法のため、来店の手間を省きながら安心して内見できます。

項目 セルフ内見 現地待ち合わせ内見
来店の必要 不要 不要
スタッフの同行 なし あり
設備・条件の確認 その場で確認できない その場で質問・確認できる
気に入った場合の申込 後日来店が必要 その場で手続きの案内が可能
防犯・管理上の安全性 リスクあり 問題なし
総合評価 △ 対応物件が少なく二度手間になることも ◎ 利便性と安全性を両立
ポイント

マチラボでも現地待ち合わせでの内見に対応しています。ご来店が難しい場合でも柔軟にご案内できますので、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. セルフ内見は今でもできる?
A. ごく一部のスマートロック導入物件などでは可能ですが、現在の賃貸市場ではほとんどの物件で対応していません。コロナ禍に一時普及しましたが、現在は大幅に縮小しています。「基本的にできないもの」として考えておくのが現実的です。
Q. セルフ内見がNGな理由は?
A. 主に設備上のリスク(窓の開け放し・無断使用・設備破損・鍵の紛失など)と防犯上のリスク(第三者の侵入・盗聴器・盗撮カメラの設置など)があるためです。トラブル発生時の責任の所在も不明確になるため、管理会社・貸主側が認めないケースがほとんどです。
Q. 不動産会社から「鍵だけ渡すので自由に見てきて」と言われたら?
A. これは業界で「飛ばし」と呼ばれる行為で、管理会社・貸主から禁止されているケースがほとんどです。このような対応をする不動産会社は管理体制やコンプライアンスに問題がある可能性があるため、利用は慎重に検討しましょう。
Q. 来店なしで内見する方法はある?
A. 現地待ち合わせでの内見が最も現実的です。スタッフが物件の前で直接お待ちするため、不動産会社への来店不要で内見できます。設備の確認や申込もその場で対応できるため、セルフ内見より効率的なケースも多いです。
Q. セルフ内見を希望したが断られた。おかしいことではない?
A. おかしくありません。むしろ、セルフ内見を断ることは管理会社・貸主として当然の判断です。防犯・設備上のリスクや責任の所在の問題から、多くの物件でセルフ内見は認められていません。現地待ち合わせでの内見を活用することをおすすめします。

まとめ

  • 現在の賃貸市場でセルフ内見ができる物件はほとんどない。コロナ禍に一時普及したが現在は大幅に縮小
  • セルフ内見ができない主な理由は「設備上のリスク」と「防犯上のリスク」の2点。盗聴・盗撮リスクは特に深刻
  • 不動産会社から勧められた場合は「正式対応物件か」「会社の都合による省略(飛ばし)か」を見極めることが重要
  • 希望していないのにセルフ内見を前提に案内される場合は、その不動産会社の管理体制に注意が必要
  • 来店なしで内見したい場合は「現地待ち合わせ内見」が最も現実的。スタッフ同行で安心・効率的にお部屋探しが進められる

栗田伸裕のプロフィール写真
執筆者
栗田 伸裕

株式会社マチラボ 代表取締役

1級FP技能士
宅地建物取引士
マンション管理士
賃貸不動産経営管理士

これまで1,000件以上のお部屋探しをサポートしてきた賃貸仲介の実務経験をもとに、賃貸契約や初期費用、退去費用など賃貸に関する情報をわかりやすく解説しています。1級ファイナンシャルプランナーおよび宅地建物取引士としての知識を活かし、家賃だけでなく初期費用や更新費用、退去費用なども含めた「総合的な住居コスト」を意識したお部屋探しのアドバイスを行っています。また、名古屋出身で名古屋の賃貸市場やエリア特性にも精通しており、地域事情を踏まえた現実的で正確な情報提供を心がけています。